オーストラリア発の寝具ブランド「コアラマットレス」のコアラスリープジャパンは、時間に対する睡眠の質を高める「スリパ」(スリープパフォーマンス)の提唱に先駆け、睡眠に関する調査を実施した。調査対象は全国の20代~60代のビジネスパーソン1,000人(10歳刻みで男女各100人ずつ)で、調査委託先はマクロミルであった。なお、本調査に記載の数値は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があるとのこと。

仕事がある日の睡眠時間を聞くと、「5~6時間未満」(36.1%)が最も多く、平均で5.94時間(5時間56分)であった[図1-1]。

一方、仕事がある日の理想の睡眠時間を聞くと、平均で7.07時間(7時間4分)となり、現実との間に1.13時間(67.8分)もの差が生じていることがわかった[図1-2]。

仕事がある日に睡眠不足を感じるかと聞くと、「睡眠不足だと感じる」(38.4%)、「どちらかといえば睡眠不足だと感じる」(36.2%)という結果となり、全体の74.6%と、働く人の4人に3人が睡眠不足を感じていることがわかった[図2]。

休みの日の睡眠不足感について聞くと、仕事がある日よりは少ないものの、約半数(47.6%)が睡眠不足を感じていることがわかった[図3]。

仕事がある日に睡眠不足を感じる人に原因を聞くと、「心理的なストレスや不安があるから」 (33.4%)、「仕事が忙しいから」(30.2%)に次いで、「SNSやインターネットに時間を使っているから」(22.1%)、「YouTube・TikTok・ドラマや映画などの動画コンテンツに時間を使っているから」(21.7%)などが挙げられた。

また、休みの日に睡眠不足を感じると答えた人にも原因を聞くと、「心理的なストレスや不安があるから」(31.5%)、「YouTube・TikTok・ドラマや映画などの動画コンテンツに時間を使っているから」(23.5%)、「家事や育児が忙しいから」(23.3%)、「趣味に時間を使っているから」(22.7%)が挙げられた[図4]。ストレスで眠れない、仕事や家事・育児で忙しくて寝る時間がとれないというだけでなく、動画やSNSなどの趣味に没頭し、睡眠時間の確保が疎かになっているケースもあるようだという。

仕事がある日、今の生活の中で理想の睡眠時間を確保できると思うかを聞いた。「確保できると思う」と答えた人は13.5%と少なく、「あまり確保できるとは思わない」(38.6%)、「確保できるとは全く思わない」(13.6%)となり、働く人の半数以上(52.2%)が「確保できない」と答えた[図5]。ビジネスパーソンが今のライフスタイルのまま、睡眠時間を確保することは、現実的にはかなり難しいことのようだという。

自身の睡眠の質に満足しているかと聞くと、「満足している」と答えた人は6.0%と少なく、「あまり満足していない」(45.8%)、「全く満足していない」(18.4%)となり、働く人 の64.2%が睡眠の質に満足していないことがわかった[図6]。

睡眠時間と睡眠の質の満足度を性年代別に見ると、睡眠時間は男女ともに20代が最も長くなっています。一方、睡眠の質の満足度は男女ともに50代・60代と比べて若年層(20代・30代)の満足度が低くなっていることがうかがえる。睡眠の質の満足度が最も高い女性60代(43.0%)の睡眠時間は、平均5.93時間と長いわけではなく、逆に睡眠時間が平均6.12時間と最も長い20代女性の満足度は30.0%と低くなっている[図7]。

そこで、睡眠時間と休息感は比例すると思うかと聞くと、「比例しないと思う」(18.3%)、「どちらかといえば比例しないと思う」(43.2%)となり、約6割の人が「比例しないと思う」(61.5%)と答えた[図8]。睡眠時間と睡眠の質(休息感)は比例しないと感じている人が多いようだという。

図6で「睡眠の質に満足していない」と答えた642人に満足しない理由を聞くと、「疲れが取れない、倦怠感がある」(58.6%)、「夜中に目が覚めることがある」(51.4%)、「寝つきが悪い」(36.0%)、「朝の目覚めが悪い」(34.4%)が上位に挙げられた[図9]。

ビジネスパーソン全員に睡眠の質を下げる原因を聞いた。「寝る前のスマートフォン使用などにより、脳が活性化しているから」(42.8%)が最も多く、次いで「ストレスや不安で眠れないから」(36.1%)、「不規則な就寝時間や起床時間で生活リズムが乱れているから」(22.7%)、「マットレスや枕などの寝具が合っていないから」(20.8%)が挙げられた[図10]。

ビジネスパーソン全員に、現在の生活の質(QOL)に満足しているかと聞くと、「満足している」と答えた人は53.3%となり、「満足している」・「していない」の割合はおよそ半々であった[図11-1]。

図6の睡眠の質に対する満足度別に見ると、「睡眠の質に満足している」と回答した人は81.6%とQOL満足度が高く、「睡眠の質に満足していない」と回答した人はQOL満足度が37.5%と低くなっている[図11-2]。睡眠の質は、生活全般、人生の質そのものを高めることにもつながっているようだという。

時間に対する睡眠の質=「スリパ」は重要だと思うか聞くと、全体の95.6%が「重要だ と思う」と答え、また94.5%が「時間に対する睡眠の質=スリパを上げたい」と答えている[図12]。新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、かつての多忙な日常に回帰しつつあるビジネスパーソンにとって、限られた時間の中で睡眠の質を高めるスリパの重要性は高いようだという。

スリパを高めるために投資したいことを聞くと、枕やマットレスなど「高機能な寝具」(41.8%)と回答した人が最も多かった[図13]。

スリパを高めるために投資したいことについて、具体的に投資したいものを回答した人(スリパへの投資意欲がある人)の割合を職種別に見ると、「営業・マーケティング職」(74.8%)が最も高かった[図14]。「営業・マーケティング職」の4人に3人は、何かしらスリパを高めるために投資をしたいと考えているようだという。

スリパを高めるために投資したいことについて、具体的に投資したいものを回答した人(スリパへの投資意欲がある人) の割合を役職別に見ると、「係長・主任クラス」(80.2%)が最も高く、次いで「課長・次長クラス」(71.4%)となっている[図15]。全体の74.6%が睡眠不足を感じているが、「係長・主任クラス」は77.6%、「課長・次長クラス」は78.6%と、全体と比べてやや割合が高くなっている。また、睡眠の質の満足度については、全体の64.2%が「満足していない」と感じているが、 「係長・主任クラス」は69.8%、「課長・次長クラス」は66.1%が「満足していない」と回答しており、睡眠時間・睡眠の質ともに満足している人は少ないようだという。

図4の通り、仕事がある日に睡眠不足となる原因は「心理的なストレスや不安があるから」が最も多かった。そこで、睡眠不足の原因として「心理的なストレスや不安」を挙げた人の割合を会社での役職別に見ると、一般社員は32.4%、部長~役員クラスは27.5%であり、 係長・主任クラスは41.1%、課長・次長クラスは38.6%と「心理的なストレスや不安」から睡眠不足となっている人の割合が多くなっていることがわかった。