南海電気鉄道は、同社100%出資の完全子会社である泉北高速鉄道を2025年4月1日付で吸収合併する予定と発表した。合併方式は南海電気鉄道を存続会社とする吸収合併方式で、泉北高速鉄道は解散となる。

  • 泉北高速鉄道の通勤車両9300系。南海電鉄の8300系をベースとしている

南海電鉄は2014年7月1日、大阪府などから旧大阪府都市開発の株式譲渡を受け、その名称を泉北高速鉄道に改めた。2022年4月1日、南海電鉄が泉北高速鉄道の全株式を取得し、完全子会社化している。一方で沿線人口の減少、コロナ禍を通じた生活様式の変化等により、鉄道事業の構造的な需要減は歯止めがかからない状況にあり、将来にわたって事業を担う人材の確保が困難になることが確実視されているという。

そうした中、鉄道事業と不動産賃貸事業という同種の事業を営む南海電鉄と泉北高速鉄道の経営を統合し、グループ経営の効率を改善することで、サステナブルな公共交通の経営を実現し、さらに競争力のある流通センターの確立に向けて経営資源を投入していく事業体制の確立が最善の方策であるとの判断に至ったと説明する。

今回の合併は南海電鉄100%出資の完全子会社との合併であるため、これによる2025年3月期と2026年3月期における連結業績への影響は軽微としている。なお、合併に伴う初乗り運賃の2度払い解消が実施され、2026年3月期以降、現状より10億円程度の運賃収入減少の可能性あるとのこと。今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示するとしている。