• 路上に立つ亮佑さん (C)フジテレビ

「路上芝居」について、同じ役者という立場から見ると、「みんな自分の人生に必死で、“久しぶりに空を見た”という人もいるような中で、路上でお芝居を見てもらうというのは、本当に難しいと思うので、私はとても勇気をもらいました」と受け止めたそう。このスタイルができるのは、「やはり人の心の動きが好きな方なんだろうと思いました。心が動いた瞬間などをキャッチする能力に長けている方なのではないでしょうか」と推察する。

芝居は一人で演じる亮佑さんだが、番組では彼を支える様々な人たちとの交流も描かれている。かたや土屋も、先日放送された『24時間テレビ47』(日本テレビ)で、ヒロインを務めた朝ドラ『まれ』(NHK、2015年)のロケ地だった能登を訪れ、現地の人々と親交を重ねている様子が映し出された。

「亮佑さんは来てくださった方々にメッセージを送っていましたが、愛情が伝わっているんだろうなと思って、すごく共感しました。出会った人を大切にするということは、どの職業でも大切なことだと思うので、素敵だなと思います」

また、亮佑さんを一番近くで支えながら、自分の夢に向かって生きる妻・華恵さんには、「亮佑さんの大ファンに見えました」と印象を抱き、「亮佑さんの生き方がお芝居になって、人に何かを伝えていくことの素敵さが、華恵さんの活力になって、ご自身のカフェ開業という目標になっているので、素敵だなと思いました」と捉えた。

人間の本質の部分をちゃんと伝えてくれる番組

見知らぬ人を褒めまくる「褒めますおじさん」を追った『ほめる人とほめられる人~褒めますおじさん 令和の路上物語~』を前週8日に放送した『ザ・ノンフィクション』では、街角で繰り広げられる人間ドラマ「令和の路上物語」を2週連続で放送。

今回、「路上役者」のドキュメンタリーに語りを吹き込んだことで、「こういうふうに自分の夢に向かって進んでいる方がいることを知ると、自分事のように感じてきますし、これからは“いないかな?”と探しながら歩いてしまうかもしれないです(笑)」と、路上パフォーマーへの見方に変化が生まれる予感を抱いたようだ。

そんな『ザ・ノンフィクション』について、「今の時代、きれいな写真や絵を切り取ろうと思ったらいくらでもできますが、普通に生きている人たちが本能的に持っている、人間の本質の部分をちゃんと伝えてくれる番組と思います。だから、すごくうらやましいと思う瞬間もあるし、たまに“なんでだろう?”と悶々としながらナレーションをすることもあるのですが、本当にいい番組だなと思います」と魅力を語った。

そして、今回のサブタイトル「いつまで夢を追いますか」にかけて、自身が目指している夢を尋ねると、「いい生き方をしたいです」とのこと。「追うものは一つじゃなくてもいいと思っていて、いい生き方をすればいいお芝居ができるはずだと信じていますし、家族ともいい生活ができると思うんです。全部に心を込めて追っていきたいですね」と意欲を示している。

●土屋太鳳
1995年生まれ、東京都出身。08年公開の映画『トウキョウソナタ』で女優デビュー、10年に大河ドラマ『龍馬伝』でドラマ初出演を果たした。翌年のドラマ『鈴木先生』での女子生徒役で注目を浴び、その後も連続テレビ小説『まれ』(15年)でヒロインを演じるなど、活躍を続けている。映画『orange -オレンジ-』(15年)で日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年)では同優秀主演女優賞に選ばれた。今後は、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS)が10月にスタート、映画『八犬伝』が10月25日に公開予定。