JR東日本は10日、新幹線自動運転の導入計画について発表した。上越新幹線の一部区間で2028年度から導入し、当初は運転士が列車前頭に乗務する「GOA2」レベルの自動運転を行う。その後、自動運転レベルを引き上げ、導入区間拡大を図るとしている。

  • ドライバレス運転(GOA4)走行試験の様子

2028年度に上越新幹線の長岡駅から新潟新幹線車両センターまでの区間(60.8km)で営業列車・回送列車の自動運転(GOA2)をめざす。2029年度には、新潟駅から新潟新幹線車両センターまでの区間(5.1km)において、回送列車に係員が乗務する必要のないドライバレス運転(GOA4レベルの自動運転)を始めたい考え。これに向けて、JR東日本は地上設備や車両改造などの工事に着手するという。

2030年代中頃に東京~長岡間でも自動運転(GOA2)を導入した後、東京~新潟間の営業列車でドライバレス運転(係員が乗務するが、列車前頭に乗務する必要がないGOA3レベル)および回送列車のドライバレス運転(GOA4)導入をめざす。将来的に北陸新幹線と東北新幹線でも自動運転の導入をめざし、検討を進めるとした。

すでにドライバレス運転の導入に向けた研究開発に取り組んでおり、自動でダイヤ通りに運転するほか、臨時速度制限や臨時停車などにも対応する装置について、2019年度から「ALFA-X」(E956形)で走行試験を実施している。2028年度の自動運転(GOA2)導入時に実用を開始する予定だという。

  • 長岡駅から新潟新幹線車両センターまで2028年度に営業列車・回送列車の自動運転(GOA2)、新潟駅から新潟新幹線車両センターまで2029年度に回送列車のドライバレス運転(GOA4)導入をめざす

  • 「ALFA-X」で走行試験を行い、最適な運転パターンで運行する装置を開発

  • 異常な振動を検知する装置の構成

台車の異常を検知する既存のモニタリング装置を活用し、走行中の異常な振動を検知した際、乗務員に代わり自動で緊急停止させる機能の研究開発も進行中。2029年度のドライバレス運転(GOA4)導入に合わせた使用開始をめざしている。