今回の制作にあたって、番組の放送が決定した4月から4か月間、1日3本アーカイブ番組を見るというルールを自分に課し、400~500時間分は視聴したという生山氏。それでも、「いち視聴者になって本当に面白くて見入ってしまいました」と夢中になって楽しんだそうで、「“坂上忍さんやヒロミさんが若いなあ”とか、“安達祐実さんが小さいなあ”とか、自分たちの世代はそんなところも一つ一つ新鮮だったので、そこも勝算にありました」と手応えをつかんだ。

アーカイブ映像を見ている時から、「どの番組も今も楽しめて、『エラーを探せ!』のように子どもが親に勝てるようなクイズもあって、老若男女が楽しめるクオリティがすごい」と感じていたそうだが、「リアルタイムで見ていない世代の宮近さん(26歳)が、結構正解を出していましたし、当時のクイズを今の20代でも楽しめるということが改めて分かりました」と、偉大さを再確認する機会になったそうだ。

今回の番組を通して、「令和のテレビにしかできないことが、一つ出せたのではないかと思います。YouTubeではできない規模感や技術力がありますし、海外の動画配信サービスではこのアーカイブを持っていないわけですから、今のテレビ局にしかないこの切り口を、今後も追求していこうと思います」という生山氏。

SNSを中心に業界内外で大きな話題となっただけに、第2弾の放送にも意欲を示し、「今回は基本的に解答者が座っている固定の画の番組に絞ったのですが、またできるのであれば、規模感を大きくして『ウルトラクイズ』の『マラソンクイズ』とか『突撃○×どろんこクイズ』とかもやってみたいですね。ほかにも『高校生クイズ』で最強の開成高校にいた伊沢拓司さんと、現代のインテリ芸能人が対決するといったパターンもできるのかなと思います」と構想を語る。

また、クイズにとどまらず、「それこそ最初に考えたスポーツもそうですし、『伊東家の食卓』で一緒に裏ワザを試したり、『どっちの料理ショー』で試食したりといったことも、できなくはないと思います。可能性は無限大にあるので、70年分の資産を作ってくれた先輩たちに敬意を払いながら、次も挑戦させてもらえるとうれしいです」と力を込めた。

日本テレビの映像ライブラリーに眠る番組の“神回”を、伊集院光と佐久間宣行氏が見るTVerの番組『神回だけ見せます!』では、8月から局の垣根を越えた「特別編」を配信しているが、各局にはそれぞれ名クイズ番組が存在するだけに、『クイズタイムリープ』も同様に解放されたフォーマットとなって、テレビ全体を盛り上げる仕掛けとなることにも期待したいところだ。

  • 生山太智氏

●生山太智
1995年生まれ、東京都出身。明治大学で野球部に所属し、大学日本一に輝く。同大学卒業後、18年に日本テレビ放送網入社。スポーツ局に配属され、『Going! Sports&News』や、プロ野球・箱根駅伝・ラグビーといったスポーツ中継、巨人軍のYouTubeチャンネルも担当。現在は『news zero』のスポーツコーナーを担当する。これまで、『究極のスポーツ大戦! ブーストイ★スタジアム』『スポーツ漫画みてぇな話』『かまいたちのアイツが俺に火をつけた』『燃えろ!番狂わせスタジアム』『らば~ず散歩』『加藤浩次&中居正広の歴代日本代表256人が選ぶ この日本代表がスゴい!ベスト20』など、スポーツをテーマにしたバラエティ番組も多数制作している。