約1年前、2023年8月6日に当時登録者数180万人超えのYouTuberが配信した「【報告】YouTubeを卒業します」という引退宣言動画には、今も毎週のように新しいコメントが書き込まれている。「『伝説の頭 翔』でこの俳優さんは誰だろうと気になって調べてここに着きました」「検索したらYouTuberだったのはびっくり」「演技最高に好きです」「一目でカルマさんのファンになりました」「演技力抜群で、釘付けになりました」――テレビ朝日系ドラマ『伝説の頭 翔』(6日最終回 23:15~※一部地域除く)にて、ヤンキーの連合体の三大勢力「ブラッドマフィア」のボス・東城真役で圧倒的な存在感を放っているのが、YouTuberから俳優へ転身し、今作がまだ3作目の出演となるカルマだ。東城の特技は圧倒的な握力を生かした“顎外し”。どこかつかめない男だが、自身の正義を貫く一本筋の通った姿で視聴者を釘付けにしている。

俳優としてキャリアが浅いにもかかわらず、カルマはなぜ東城をここまで魅力的に演じ、大きな注目を集めることができたのか。取材前には、「2時間くらいインタビューしていただいても! 話したいことたくさんありますので」と気さくにあいさつしてくれたカルマ。今作への並々ならぬ思いや、6日に放送される『伝説の頭 翔』最終回の見どころを聞いた。

  • カルマ

    YouTuberから俳優に転身したカルマ 撮影:泉山美代子

10キロ減で挑んだヤンキーのボス役

――神出鬼没で何を考えているのか読めない「ブラッドマフィア」のボス・東城真から目を離せない! という視聴者がたくさんいます。そんな東城を演じた感想を教えてください。

かなり早い時期からお話をいただいていて、10キロ増量して体を作るところから東城の役作りが始まりました。撮影が始まってからは怒涛の毎日でしたが、自由度が高くて唯一無二の東城というキャラクターを思い切り演じることができてすごく楽しかったです。素敵な雰囲気の現場が、僕をずっと東城でいさせてくれました。

――カルマさんのSNSやドラマ公式SNSではオフショットがたくさん投稿されていて、皆さんの仲の良さが伝わってきました。現場はどんな雰囲気でしたか。

同年代のキャストの方々がたくさんいたのですが、皆、熱い。初日からすぐに意気投合しました。なりふり構わず話しかけちゃう僕を皆が受け入れてくれるので、ずっと誰かとおしゃべりしていましたね。特に一緒のシーンが多かった(高橋)文哉、(金城)碧海とはアドリブも楽しんでいました。同じシーンでも、1回目と2回目で全然違うものになったりして。「そう来るなら、俺はこうしてみよう」「次は何を言ってくるんだろう」とワクワクしながらアドリブ合戦を繰り広げているうち、「今、何のシーンをやってるんだっけ?」と、台本の台詞を忘れることもあったり(笑)。

  • カルマ

高橋文哉・金城碧海の印象

――金城さんはどんな方でしたか。

碧海は本当に面白い人。JO1として活動している碧海、YouTube出身の僕、いろんなルーツを持った人が集まっていたからこそ、新しい発見のある刺激的な日々を送ることができたんだと思います。

――主演の高橋さんの印象は。

現場に入る前からかっこいい、すごい俳優だと思っていて、そんな文哉が演じる翔のライバルを務めるということが、作品に臨むいいプレッシャーになりました。東城がちゃんと強く見えるように、敵対する役として不足がないようにお芝居も体作りも頑張らなきゃなと。文哉は主演として、最初から最後まで作品の軸でいてくれました。

  • 『伝説の頭 翔』より=テレビ朝日提供

――そんなお二人との、今だから話せる裏話があれば教えてください。

うわ、めっちゃたくさんあります!(笑)メイク中から撮影場所に向かうまで、3人で「クランクアップしたらご飯どこ行く?」とか、いつもそんな話を延々としていて、10分後にはお芝居でケンカしていたり。カメラが回っていないときは東城の変顔を文哉と一緒にやってみたり。ずっと話していたので「はい、本番!」と言われて慌てるときもありました(笑)。