女優の桜田ひよりが主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『あの子の子ども』(毎週火曜23:00~)第9話が27日に放送され、主人公・福(桜田)の父、慶(野間口徹)の“提案”に、SNSで反響が寄せられている。(本記事には、第9話のネタバレ、第10話の予告が含まれます)

  • 『あの子の子ども』第9話より=カンテレ提供

■桜田ひより×細田佳央太『あの子の子ども』

第47回講談社漫画賞・少女部門(23年度)を受賞した蒼井まもる氏の同名少女漫画を原作とし、“高校生の妊娠”をテーマに、妊娠が発覚したことで日常がガラリと変わってしまった高校2年生カップルの姿を描いた今作。桜田が主人公の川上福を、細田佳央太が福の幼なじみで恋人の宝を演じる。脚本は蛭田直美氏、チーフ監督はアベラヒデノブ氏が務めている。13日放送の第7話の無料見逃し配信(TVer、カンテレドーガ)の再生回数は1週間で138万回を超えている。

第9話では、福の母・晴美(石田ひかり)から福の妊娠を聞き、居ても立ってもいられなくなった父・慶が緊急帰国し、家に帰ってくる。放課後、福が帰宅すると、そこには穏やかな笑みを浮かべる慶の姿と、晴美から連絡を受けた宝の母・直実(美村里江)、そして宝の姿も。慶は開口一番、高校生の2人を叱るでもなく、ただやさしく、福に今の気持ちを問いかける。すると、前日に同じ質問をした宝と一つの答えを出していた福は、覚悟を決め、「産みたい」と告げる。その答えに息を飲む2人の母とは対照的に、慶は「いいよ、産みなさい」と答えるが、「親に養ってもらっている立場で親になろうというのは無理だよ」と諭す。すでにこの件について弁護士に相談していた慶。未成年は親権者にはなれず、未成年が産んだ子の親権は母親側の親が持つことになることから「養子縁組なら大丈夫らしい。戸籍には残ってしまうけど」と、福と宝の子どもを、自分と晴美の養子にすることを提案する。

働いて自分たちで育てたいと食い下がる2人に慶は「必ず子どもが元気で生まれてくると思ってるのか? 保育園はどんな子でも預かってくれるわけじゃないんだぞ」「フクの弟か妹として、俺たちが何不自由なく育ててやると言っているのに何が不満なんだ」と畳み掛ける。相談もなく“俺たち”と表現されたことに晴美が不服を申し立てるが、「育てられるだろう、あと1人くらい。どうせ暇なんだから」と慶。そこで晴美は「別れましょう。私たちが。私が親権を代行します」と、離婚も視野に入れた発言をして……。

■父の提案に賛否の声

SNSでは、慶の態度や提案に「なんだよそれ、、、、」「どゆこと?」「親として娘に自分のレールの上を歩ませたいだけ」「全く聞く耳持ってくれない」と驚きや反発の反応も見られたが、「至極真っ当なことを言ってる」「生まれてくる子を経済力で守れるのはお父さんなんだよな……」「現実的な提案」「一番いい方法を一生懸命に考えてきたんだろうなぁ」と共感、肯定する声も。しかし晴美に対しての「どうせ暇なんだから」という言葉には、「見過ごせない」「父親としてはあってるけど、夫としては間違ってる」「モラハラ発言は一切許容できない」と厳しい意見が寄せられた。

そんな慶を演じた野間口には、「こういう役が似合う」「迫力あった」「さすがすぎる演技力」「平然と演じられる野間口さん流石です」と絶賛する声が多数投稿されている。

第9話は、現在TVerなどで見逃し配信中。

■福、妊娠を矢沢や沖田に伝えようとする

来週、9月3日に放送される第10話では、川上家からの帰り道、宝は母・直実に「(駅伝出場は)俺の夢じゃない」と本音をこぼすが、直実の気持ちを思うといたたまれなくなり、その場から立ち去る。するとそこへ、宝の様子がおかしいことに気づいた隼人(前田旺志郎)から電話が。誘われるがまま隼人の家を訪れた宝は、相変わらずにぎやかで笑いが絶えない一家で一緒に夕食を食べる。その後、隼人から愛情を注いで自分を育ててくれた両親との話を聞くが、そこには宝も知らない事実があった。

そのころ福は、夕食の席でもう一度、父・慶に「2人で頑張りたい」と自分の気持ちを伝えるが、慶は福の顔を見ようともしない。そんな父とは対照的に、母・晴美はなぜ夫に離婚を切り出してまで、自分たちを信じてくれるのか。福がその理由を尋ねると、晴美は自分の過去を打ち明けたうえで「元気で生きててくれればそれでいい」と伝える。その言葉に隠された母の真意を知った福は……。

学校では、合唱祭で歌う曲が決まり、担任・沖田(橋本淳)が用意した楽譜を見た福は、思わず矢沢(茅島みずき)を振り返る。それは2人にとって思い出の曲で、矢沢が大好きな曲。それまで合唱祭への参加をかたくなに拒んでいた矢沢は、福が一緒ならと参加を前向きに考え始める。福も妊娠したことを矢沢や沖田に伝えようとするが……という展開が描かれる。