東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『バントマン』(10月12日スタート 全11回 毎週土曜23:40〜)の追加キャストが26日、明らかになった。

  • 倉科カナ =東海テレビ提供

倉科カナ、犠牲心の塊のような会社員役に

中日ドラゴンズの全面協力で実現した同作。ドラゴンズのホームランバッターとして活躍するも、やがて戦力外通告を受ける元プロ野球選手・柳澤大翔を演じる鈴木伸之を支える豪華キャストが決定した。

「人生最高の日なんて、もう来ることはない……」人が気付かないことに気付き、誰もが嫌がる業務をひっそりと行う、まるで犠牲心の塊のような会社員・根鈴華を倉科カナ、「社員の悩みは自分の悩み」をモットーに、困っている社員に手を差し伸べたいと究極の福利厚生を考える企業の代表取締役・櫻田誠一郎を坂東彌十郎が演じる。

また、バントマンの先輩役に平原テツ、阿久津仁愛、石川瑠華ら。そして、朝加真由美、モロ師岡、熊谷真実らベテラン俳優陣が脇を固め、さらに大翔の同僚となるドラゴンズの選手役として、和田雅成、生田俊平の出演も決定した。

倉科カナ、坂東彌十郎のコメントは以下の通り。

倉科カナ

台本を読んだ時、ヒューマンドラマでありつつ野球の面白さもあって、今までにないドラマだなと思いました。

私が演じる根鈴華は、誰かを支えることに幸せを感じるという、他者の気持ちを汲むことに長けた女性です。また登場人物全員がとても個性的で撮影がとても楽しかったです。それぞれいろんな悩みを抱えているのですが、悩みにも個性があり、きっとみなさんも共感できるところがあると思います。

野球のドラマに出演するのは初めてです。この作品がきっかけで、プライベートでも野球を見たりしています。バントは好きですね。いろんなことを考えた上で、相手を送り出すために犠牲になる……、すごく魅力的だと思います。守備も好きです。守備の仕方とかを見ていると一人一人違って、そんなところも面白いなと思います。

ドラマでは登場人物のいろんな悩みを陰ながらサポートしていきます。その悩みを野球に例えて解決していくところが、今までにないですし、新しいジャンルのドラマです。そのハチャメチャさがすごく面白くて、それでいてすごく泣けて……このドラマをご覧いただいて「明日も頑張ろう!」と思っていただけたら嬉しいです。

坂東彌十郎

「バントマン」というタイトルを聞いた時に、頭の中にポンポンってクエスチョンマークが浮かびました。監督に話を伺って、珍しい作品だなと思いました。

櫻田誠一郎は、ただただ「野球少年」です。子供の頃から野球が好きで、会社も持って自分の人生もあるのに、全てを野球に置き換えて考えている。人のため社員のため頑張ろうという気持ちの底に、野球少年がいることに共感を持ちました。

好きな野球チームは、我々の年代は、読売ジャイアンツです。「バントマン」に出演していて申し訳ないのですが、父の代からファンでした。王さんと長嶋さんはもちろんですが、僕はセカンドを守っていた土井正三さんが好きで。それが今回の「バントマン」にも何か繋がるような気がして、演じていて嬉しかったですね。

僕自身も野球少年で、小学生の時に友達とチームを作ったら、父が全員分のユニホームを作ってくれました。歌舞伎俳優の中にも野球が好きな方が多くて、僕はいくつものチームを掛け持ちしていました。ポジションはファースト、たまにピッチャーもしました。中日ドラゴンズでは、僕らの世代で言うと星野仙一さんが好きですね。今年は中田翔選手が入団したのが、すごく興味があります。

櫻田が作ったチームがいい活躍をするんですね。とてもいいヒューマンドラマです。プロ野球に限らず、もっと野球を楽しんで、応援していきましょう。僕もスーツを着てですけれども、バントをしているシーンがあるので、ぜひそこもご覧ください。

【編集部MEMO】
「本日のヒーローインタビューは、決勝打がプロ初打席、初ホームランとなりました柳澤大翔選手です!」「ありがとうございます。俺は、中日ドラゴンズが大好きです!」。鮮烈デビューから14年、中日ドラゴンズから、戦力外通告を受けた柳沢大翔(鈴木伸之)。なんで俺がこんな目に遭うんだ…プロ野球選手ではなくなった今、全てが虚しく思えていた。半年前―バンテリンドーム ナゴヤで行われたリーグ戦。途中出場した大翔に、9回裏、ノーアウト1・2塁の場面で打順が回ってくる。しかしベンチからのサインは、送りバントだった。バントは見事成功したが、そのあとの打者は凡退、試合は負けてしまう。 記者に囲まれた大翔は、思わずこう言い放つ。「やっぱり打ちたかったです。野球はランナーを進めるスポーツじゃない。得点を多く取った方が勝つスポーツですから」「なんで隠してたの?」。妻が他界して以来、シングルファザーとして育ててきた9歳の息子には、戦力外になったことをまだ伝えていなかった。「隠していたわけじゃない。中日は辞めるけど、野球をやめるわけじゃない」。また満員のスタンドでホームランを打つ、あの頃の輝きを取り戻してやる―大翔はトライアウトを受けることを決める。トライアウトで見事結果を残した大翔だったが、何日たっても、どの球団からも獲得のオファーはなかった。焦りを覚える大翔のもとにかかってきた、1本の電話。「ぜひ、柳澤選手と契約を交わしたいと思っています」。喜び半分、疑問半分で電話の主のもとを訪れると、予想外のオファーが大翔を待ち受けているのだった…