フランスベッドホールディングスが、パートナーと一緒に寝る「二人寝」でもぐっすり寝られる方法を、いびきの健康リスクと改善策を交え紹介している。

「睡眠離婚」はお互いの睡眠への思いやり

9月3日は"ぐっ(9)すり(3)"で「睡眠の日」。「スリープテック」や「睡眠投資」など、良い睡眠をとることに注目が集まる中、パートナーが寝室やベッドを分ける「睡眠離婚」が話題となっている。睡眠離婚とは、パートナーと同じ寝室で一緒に寝ることをやめ、別々の部屋やベッドで寝ることをいう。

米睡眠医学会(AASM)が2023年3月に、アメリカの成人2,005名を対象にした「Sleep Prioritization Survey2023(睡眠優先度調査)」によると、「パートナーと別の部屋で寝ることがある」が20%、「毎日別の部屋で寝る」が15%と、睡眠離婚を選択する人がいた。また、パートナーの都合に合わせて「希望より早い時間または遅い時間に就寝している」という回答が全体の1/3を占めた。自身やパートナーの睡眠をお互いが妨害しないように「睡眠離婚」やその他の方法で調整していることがわかる。

  • AASM Sleep Prioritization Survey2023より作成

ふたりで同じベッド(寝具)で寝ることのデメリットとして、(1)いびきや寝返りなどによる「睡眠妨害の問題」、(2)暑がりの人と寒がりの人で快適な温度が異なる「温度調整の問題」、(3)片方が掛布団を取られてしまう「掛け布団の取り合い問題」などが挙げられる。睡眠離婚は、これらの問題の解決策の1つとして考えることができる。しかし、住環境などの理由から、睡眠離婚という選択ができない人もいるかもしれない。その場合には、他の解決策が必要となる。

睡眠改善のためのヒント

快適な二人寝で、質の良い睡眠をとるため、「2人で1つの寝具を使用しない」「温度は暑がりの人に合わせる」「照明はアイマスクで調整」といった工夫ができる。

  • 睡眠改善のためのヒント

いびきの改善には、「体重管理」「睡眠姿勢の工夫」「アルコールと喫煙の制限」「専門医への相談」の4つが有効的だという。

  • いびきの改善

いびきは、単なる「音」の問題ではなく、健康リスクのサインかもしれない。お酒を飲んだ時や疲れた時などにかく一過性のいびきや、いびきをかいても朝起きた時にスッキリ目覚めていれば、心配はないが、毎日習慣的に朝までいびきをかく、日中眠気を感じる、睡眠中何度も呼吸が止まる、といった症状がある場合は要注意。この場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)などの危険な病気が隠れている可能性があるという。

  • SASセルフ診断

睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の交通事故リスクは7倍

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気で、激しいいびき、起床時の頭痛、日中の眠気、倦怠感などの症状がみられる。SASには、気道が物理的に狭くなり、無呼吸の状態になる「閉塞性」と、脳から呼吸指令が来ないことで生じる呼吸異常による「中枢性」、この2つが合わさった「混合性」の3つに分類されるが、ほとんどの場合が「閉塞性」だという。SASは、循環器疾患や糖尿病などの合併症を引き起こすこともあり、放置しておくと危険な病気。また、SASによって引き起こされる日中の眠気や集中力の低下は、交通事故リスクにも大きく関わり、SAS患者の事故歴は健常者の7倍で、SASの重症度と交通事故歴は相関すると言われている。

  • S睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の交通事故リスクは7倍

SAS患者数は400~500万人と推定されているが、そのうち治療中の人は約10分の1の40万人程度と少なく、その他に軽症から中等症と見られる人が2,000~3,000万人にのぼるとも言われている。「睡眠の日」を機に、心身の健康を支える重要な要素として、睡眠のとり方を見直してみるよう同社は勧めている。