バイク未来総研(運営:バイク王&カンパニー)はこのほど、16〜69歳のバイク所有者949名を対象にバイク用ドライブレコーダー(「ドラレコ」)の装着について独自にアンケート調査を行った。

■背景と概要

周囲の運転状況を記録し、万一の事故の際には重要な証拠となるドライブレコーダー。車では一般化してきたが、バイクへの普及は今ひとつと言われている。

あおり運転などをきっかけに大いに注目を浴びることになったドラレコはカメラで周囲の映像を記録するため、不意の事故やトラブルが起きても有力な証拠となる。

事故が起きた際、双方の言い分が食い違うことはよくあるが、ドラレコの映像があれば客観的な事実がわかる。特に自動車との交通事故においては、交通弱者であるバイクが被害者になった場合、証言できない可能性があるため、ドラレコはバイクにこそ重要なアイテムと言える。

また、三井住友海上火災保険の調べによると、ドラレコを装着することにより事故そのものを抑止する効果があることもわかっている。

とはいえ、バイクへの搭載はあまり進んでいないとされている。四輪では急速に普及が進み、2024年に搭載率が50%を突破したと報道されたが、バイクの場合はこうした調査データもほぼない。

そこで実施された今回の調査。どんな実態が明らかとなっただろうか。

■ドラレコを装着しているライダーは約4割

「あなたは、バイクを運転する際にドライブレコーダー(車体に設置するタイプ)を使用していますか」の設問に対しては「使用している」が約4割、「使用していない」が約6割という結果に。

一般的なドラレコに加え、GoProなどの車載アクションカメラも“ドラレコ"に含まれていると思われるが、四輪が50%と考えると、かなり高い数字となった。

なお、二輪用品店のナップスが2019年10月にバイク用ドラレコの所有率を調査したところ、30.2%という結果に。約5年が経過し、所有率が10%程増加したとも考えられる。

■事故件数が多い50代以上のライダーはドラレコ装着率が低い!

とはいえ、年齢によって装着率に顕著な傾向がある。

20歳〜29歳は非常に装着率が高いのに対し、年齢が上がるにつれて減少。40歳〜49歳では4割弱、50歳以上では約2割程度にまで落ち込んでいる。

これは交通事故発生件数を考えると、非常に対照的な結果だ。

■装着しない理由は「価格」がダントツ、「手間」や「スペース」もネックに

  • あなたがバイク用のドライブレコーダーを使用していない理由を教えてください。

ドラレコを装着しない理由について、最も多かった回答は「価格が高いから」(58.5%)。次点の「装着に手間がかかるから」は29.3%なので、「価格」がネックになっている人が突出して多いことがわかる。

3番目に多いのが「バイクに取り付けられるスペースが無いから」の21.9%。車に比べ、搭載スペースが圧倒的に少ないバイクには悩みの種だ。車種による違いはあるが、ETC車載器でも同様の問題があった。中にはドラレコを装着したくてもスペースの関係で断念した人がいるかもしれない。

■価格の上限は「1万円未満」が最多、しかし9割超が使用すべきと考えている

  • あなたが、バイク用のドライブレコーダーを使用してもよいと思う価格の上限はいくらですか。

「バイク用のドライブレコーダーを使用してもよいと思う価格の上限」の設問では、「1万円未満」と回答した人が28.1%と最も多い結果となった。

バイク用ドラレコの本体価格は様々だが、性能と信頼性を満たした大手メーカーの製品となると3万円前後が相場。取り付け工賃は車種によって異なるものの、2万円程度が相場で、カウル付きはさらに高くなる。

また、車用ドラレコは1万円前後の製品も多く流通している。こうした情報を知っている人にとってバイク用ドラレコは割高に感じる一因なのかもしれない。

  • あなたは、バイクを運転する際にドライブレコーダーを使用した方がよいと思いますか。

その一方で「バイクを運転する際にドラレコを使用した方がよいと思いますか」の設問では「強く思う」「やや思う」と答えた人を合わせると92.4%を占める結果となった。

潜在的にドラレコを使いたいと考えている人が大多数ながら、価格や装着の手間、搭載スペースなどの問題で購入には至っていないと考えられる。

■まとめ

バイク用ドラレコは4割程度の普及率ながら、ライダーの実に9割が「使用した方がよい」と考えている。ドラレコがあることで、万一の事故の際も解決までの日数が17日も短縮するというデータもある。

特に40代、50代のライダーは事故件数が多いにも関わらず、装着率が極端に低い実態が判明した。ミドルエイジには、経験豊富なベテランや、久々に乗り始めたリターンライダーが同居している。いずれにせよ加齢による体力や反応速度の衰えが始まる年代でもあり、“転ばぬ先の杖"としてドラレコの装着が推奨される。

今回の調査結果を受け同社では、「バイク王でもこの調査結果を受け、お得にデイトナ製ドラレコが装着できるキャンペーンを実施しています。安心なバイクライフの一助となるドラレコ。バイク未来総研としてもバイクのドラレコ搭載率がアップすることを望みます」と結んでいる。

■【調査概要】

調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年7月
調査人数:949名
調査対象:16〜69歳のバイク所有者