東急不動産は7月26日、同社が保有し、東急リゾーツ&ステイが運営する東急リゾートタウン蓼科(長野県茅野市)に「TENOHA蓼科」をオープンした。

  • TENOHA蓼科

同施設では、「地域環境」と「自然環境」、それぞれの「環境」と向き合い共創していくことで、真の"環境共生"を実現していくことを目指しているという。「環境」について考えることは"非日常"という人もまだ多い中、タウンへの来訪を通して、2つの「環境」への意識を"日常"に持ち帰ってもらえるよう、"地域連携"と"環境配慮"の価値創出および発信の拠点としてオープンした。

1978年に初めて別荘地を分譲して以来、長きにわたって自然との共生を続けてきた同タウンでは、森林の樹木密集を抑制するために木を間引く保全間伐を実施してきた。間伐をすることで、森の下まで光が差し込むようになり、下草や若木の成長が促進され、脱炭素効果の向上や、生物多様性の創出に貢献することが可能となる。

施設内の壁面や家具、什器は全てタウン内の間伐材を使用して作られており、タウン内の環境取り組みに実際に触れることで、蓼科の森、そして自然をより身近に感じてもらうことができる。また、これら家具や什器はTENOHA蓼科のコンセプトに共感した地域の製材所や工房協力の下で製作しており、木材の利用をフックにした地域連携の在り方を実現している。

  • (上)TENOHA蓼科内装/(下)タウン内で間伐したカラマツのオリジナル家具

隣接する広場内においては長野県産の木材をふんだんに使用しており、木材の地産地消を徹底している。これら木材は100%植物由来の原料で防腐処理を施しており、雨などによって融解した場合の生態系への影響を最小限にとどめるような工夫をしている。広場の入口ゲートには、木材だけでなく、地域の石材や、工事の際に出たガラス廃材をアップサイクルして作ったガラスブロックをあしらっている。そのゲートから繋がり広場を囲むループテラスは、タウンから始まる地域循環の輪を表現している。

  • (左)広場の入口ゲート/(右)広場を囲むループテラスと造作ベンチ

  • 芝生と木に囲まれた緑豊かな空間

隣接する広場において、2024年7月26日から28日までの3日間「まちびらきマルシェ」が開催された。地元の飲食店や木材を扱う地域事業者のブースが並び、別荘利用者やタウン内宿泊者、近隣市町村の住民の方が多く集まったという。今回のマルシェイベントをきっかけに、初めてタウンを訪れたという地元の声も多く聞けたほか、地域の事業者同士の横のつながりも生まれ、地域コミュニティ創出の拠点としての第一歩を踏み出した。

  • 地域事業者らと共に"まちびらきマルシェ"を開催

東急不動産と東急リゾーツ&ステイは、同施設が位置する茅野市との間で、2022年3月から包括連携協定を締結しており、森林資源を核とした持続可能な地域循環の推進や地域の魅力・暮らしやすさ向上を目指してきた。今回のまちびらきマルシェも茅野市後援のイベントとして実施したものだという。また、2024年6月には、八ヶ岳ファン拡大を通じた関係人口創出事業として、茅野市とともに移住促進等に関して協議を開始。今後も茅野市の魅力を全国に発信する拠点として、TENOHA蓼科を活用していく予定だという。