国土交通省は、都市鉄道の混雑率調査結果(2023年度実績)を8月2日に公表した。名古屋圏で運行されるJR東海の在来線に関して、2023年度の混雑率が最も高かった路線は中央本線で混雑率124%。コロナ禍前の混雑率を上回った。
中央本線の中津川~名古屋間では、315系の投入が始まった2022年3月のダイヤ改正で、すべての快速・普通列車を8両編成化。2023年度に快速・普通列車の車両を315系に統一した。
混雑率を見ると、コロナ禍前の2019年度、新守山駅から大曽根駅までの最混雑区間において、7時49分から8時49分まで輸送力1万8,045人(9.7両×13本)に対し、輸送人員2万1,653人で混雑率120%だった。当時は通勤時間帯に最大10両編成の列車を運行しており、コロナ禍の影響を受けた2020~2021年度も輸送力に変更なし。輸送人員の減少にともない、混雑率は100%台となった。
快速・普通列車を8両編成化した2022年度、最混雑区間における7時40分から8時39分までの輸送力が1万6,800人(8両×14本)に。輸送人員は前年度とほぼ同じ(2021年度は1万8,717人、2022年度は1万8,840人)だったが、混雑率が112%に上昇した。2023年度、輸送力は前年度と同じ1万6,800人(8両×14本)に対し、輸送人員が2万765人に増加。混雑率は124%となり、2019年度を上回った。
名古屋圏のJR線では、関西本線も混雑率が前年度より上昇。2022年度は八田駅から名古屋駅までの最混雑区間において、7時47分から8時46分まで輸送力3,920人(4両×7本)に対し、輸送人員4,250人で混雑率108%だったが、2023年度は同時間帯の輸送人員が4,610人に増加し、混雑率118%となった。なお、関西本線と並行する近鉄名古屋線は、2022年度の混雑率107%、2023年度の混雑率109%でほぼ横ばいといえる状況。名古屋圏の東海道本線は2023年度、熱田駅から名古屋駅まで混雑率96%、枇杷島駅から名古屋駅まで混雑率90%だった。