気温30度を超える真夏日にもかかわらず、会場の熱気はそれどころの話ではなかった。マウンテンバイクの祭典「シマノバイカーズフェスティバル」が、2024年7月27日・28日、富士見パノラマリゾート(長野県諏訪郡富士見町)で開催された。

八ヶ岳、南アルプスの大自然を舞台に、ダウンヒルやクロスカントリー、グラベルクロス、トレイルライドなど、主にオフロードスタイルのレースが2日間にわたって展開された。今回は、炎天下のなかで汗と砂煙にまみれながら駆け抜けたバイカーたちの熱すぎる勇姿をお届けしよう。

迫力満点! カッコよすぎるマウンテンバイクレース

今大会で第32回目の開催となった「シマノバイカーズフェスティバル」。富士見パノラマリゾートには種目ごとに専用のコースが設置され、バイクメーカー各社はPRブースやワークショップブースを出展。昨年から導入された大型LEDビジョンによるライブ中継も行われた。

大会中、特にオーディエンスを熱狂させたのが「ダウンヒル」。年々パワーアップし、今年はスタート地点が以前よりさらに上部に設定されるなど、コースのロング化も図られた。

選手たちは山を駆け下りて……

なんと、その勢いのまま……

階段に突入ーーーーッッッ!!!!

ものすごいスピードと安定感……。とにかくド迫力!! 直角カーブも恐れずに前進していく、その技術と勇気につい見とれてしまう……。『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズみたいでめちゃカッコいい〜!!

さて、“山を駆け下りる系”でいうと、「トレイルライド+」も実に見ごたえがあった! 昨年から始まったばかりのレースだが、こちらもコースの見直しと拡充を図ったという。参加者たちは自転車ごとリフトで移動し……

スタート位置へ。標高が若干上がり、気温もやや涼しくなったような気がする。南アルプスを望む素晴らしい絶景に思わずウットリしてしまう。

出場者たちは山肌を全力で登り降りし、スタミナを激しく消耗しつつ……

残ったパワーを振り絞って、山の斜面を一気に駆け下りる! 超オフロードで不安定だけど、気持ちよさそう〜!

ここ数年、世界的にブームになってきているグラベルクロスのレースも開催された。

グラベルバイクやシクロクロスなど、いわゆる“ドロップハンドル”タイプのバイクで戦う60分間の周回レースである。ホイールがスリムな分、マウンテンバイク以上のスピード感、疾走感が魅力のひとつとなっている。

こちらはバイカーズが誇る最高峰のレース「クロスカントリーレース」の出場者たち。全レースの中で最も距離が長く、テクニカルなコースで60分の周回レースを競い合う。

スタートの合図と同時にペダルを爆踏み! グングンとスピードが上がっていく。

クロスカントリーレースはキッズ部門も! 大人顔向けのスピードで走り抜けていく。

会場ではレースごとに表彰式も行われた。オリンピック出場の夢を語る選手もいたが、未来のオリンピアンがこのレースから輩出される可能性は十分にありえるのではないだろうか。将来への期待が高まる!

会場にはバイクメーカー各社のブースがズラリ。こちらはアメリカを代表するマウンテンバイクメーカー「GT」のブースだ。

ブランド名の「GT」はもともと、創立者ゲーリー・ターナーのイニシャルから名付けられたそうだが、現在は「グッド・タイムス」をテーマに、「自転車を使った良い1日を過ごそう」をブランドメッセージに掲げているという。

ユーザーに自転車を心から楽しんでもらうため、GTのバイクは高い安定感にこだわり、バーの長さや荷重配分などを細かく調整しているのだそう。もちろんレース用のバイクもラインナップしているが、速さこそが正義というわけではなく、あくまで“楽しさ”を第一優先に考えているようだ。素敵すぎる。

どちらかというと、マウンテンバイクよりロードバイクのイメージが強いビアンキも参戦! グラベルロード「IMPULSO」の新作などを展示していた。さすがイタリアブランド、オシャレでカッコよすぎる!

オーダーメイドでサイクルジャージを制作するメーカー、チャンピオンシステムのブースも発見! ユニフォームの色やロゴなどのデザインを自由にオーダーできる。今大会の各レースの優勝者に贈呈する用のユニフォームも手掛けているようだ。

会場には当然、大会の主催者であるシマノのブースも! ヘルメットブランド「LAZER(レイザー)」の新作や、マウンテンバイク用のレースシューズを多数展示。特に、フラットペダルなのにうっすらロックできる新作「GF6」はスゴかった!

ペダルとシューズを金具で固定するビンディングと違って、ピンがソールの隙間に刺さることで、フラットなのに前後左右に動きにくくできる仕組みである。これなら自転車から降りても普通に動けそうだし、なかなか革新的なのでは?

「6ホイール&キャンピングゾーン」では自転車とクルマ、 自転車とキャンプなどを組み合わせたライフスタイルを提案。トヨタのランドクルーザーやハイラックスが自転車用にカスタムされているが、どれもすごくカッコいい! ただ眺めているだけで、「こんな車と自転車があれば、旅行先でも……」とアレコレ楽しい想像が広がっていく。

今年も大いに盛り上がりまくった激熱イベント「シマノバイカーズフェスティバル」。今年参加できなかったバイカーの皆さんは、ぜひ来年! きっと、またまた大きくパワーアップして帰ってきてくれるはずだ。