東京ビッグサイトで開催された都内最大級のキャンピングカーの祭典「東京キャンピングカーショー2024」(会期:7月19日~20日)の会場で、ひと際目を引く真っ赤な軽キャンパーを発見した。どんなコンセプトで開発したのか、担当者に話を聞いてみた。

  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー

    真っ赤な「N-VAN」軽キャンパーに遭遇!

女性ユーザーを意識?

このクルマは京都のキャンピングカービルダー「アルフレックス」が製作した「ミア ピクニカ」という軽キャンパー。ベース車両はホンダの軽バン「N-VAN」(FUNグレード)だ。

  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー
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  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー
  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー
  • ビルダーが好きなことを詰め込んだ結果、この形になったという「ミア ピクニカ」。販売価格は346.5万円だ

アルフレックスといえば都会的で洗練された高級志向のキャンピングカーの印象が強い。カジュアルでコンパクトな軽キャンパーを作っているとは、ちょっと意外だった。なぜ「ミア ピクニカ」を作ったのか。担当者に聞いてみた。

まず、N-VANをベースに選んだ理由は?

「キャンピングカーというとハイエースなど無骨なクルマのイメージが強いですが、クルマを通じてもっと気軽にキャンプやピクニックを楽しんでほしいという思いがあり、今回は女性に向けたクルマをと考えました。その場合、大きなクルマよりも、運転しやすくてコンパクトなクルマの方が気軽に乗れるのではということで、N-VANを選びました」(以下、カッコ内は担当者)

ポイントはカラーリングだ。

「目を引く色を選びたかったので、赤を選びました。アルフレックスのクルマもそうですが、普通はやっぱり黒や白が多いですよね。あと、最近はファッションでもアースカラーがトレンドになりつつあるように、N-VANの現行ラインアップもカーキやパステルカラーが多いです。でも、そこじゃないところにアプローチしたかったので、ビビッドな赤を選びました」

赤を選んだのは、ターゲットでもある女性のイメージをつけやすいという理由もあるという。それで言えば、ピンクなどはズバリな気もするが、「それだとちょっとやりすぎ感が出てしまいます。それに女性向けとはいえ、男性からもお問い合わせをいただいているので、男性にも乗っていただくことを考えると赤がベストでした」とのことだ。

インテリアも赤で統一!

インテリアはボディカラーに合わせて赤を基調にデザインしたこと。オリジナルのシートカバーなどを使って車内を赤で統一している。インパクトがスゴい。

  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー
  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー
  • 赤のカバー類は統一感を持たせるために製作したオリジナルアイテムだ

もうひとつの特徴は、シートをたためばフラットになるN-VANのメリットを活用し、車内を部屋に見立てて仕上げてあるところ。

「女性目線で考えると、やっぱりプライベート空間を大事にしたいというのがありました。後部座席のカウチもそうですが、移動できる部屋というコンセプトで作っています。軽自動車ですが、シートを倒せば、女性であればサイズ的に問題なく横になれるフラットなベッドになります。空間をうまく利用して、いろんな使い方ができるのもミア ピクニカのポイントです」

  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー

    後部座席はまるでソファのようにくつろげる

車両後部のギャレー(キッチン設備)は取り外して、車内でテーブルなどとして利用することができる。これも女性を意識した仕立てだという。

「キャンプだと、突然雨が降ってきたり、他人の目が気になったりということがあります。そうした中でもプライベートな空間を守りたいという思いがあって、車内に持ち込んでプライバシーを確保しながら使えるようにしました」

  • ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー

    取り外して車内でも使用できるギャレーの使い勝手は抜群

「ミア ピクニカ」の発表は2024年4月、販売価格が決まったのが6月だという。まさに ピカピカのニューモデルだ。すでに予約も入っているそうだが、今から注文しても現実的なタイミングで納車が可能だという。

気になるのが、赤がN-VANの現行カラーラインアップから外れているということ。今後、展示車両と同じ仕様のクルマを注文することはできるのだろうか。聞いてみたところ、「弊社の基本は新車を架装しますが、例えば出展車両のような赤がいいとなると、中古でしか手に入りません。そういった場合の対応はもちろん可能です」とのことだった。