エイチ・アイ・エスは7月10日、「2024年夏休み旅行予約動向」を発表した。調査は2024年6月26日、HISにて対象出発日(2024年7月20日~8月31日)の旅行を申し込んだ人を対象に行われた。対象商品は、同社のツアー、ダイナミックパッケージ、航空券(宿泊のみは除く)。

  • 海外旅行 予約者数ランキング

海外旅行における予約者数は前年同期比で97.5%と同水準で推移するものの、コロナ前の2019年同期比では52.3%となっている。2023年の同調査における予約者数は、前年同期比703.7%と急回復していたものの、2019年同期比では53.4%だったことから、昨年から今年にかけては横ばいで推移している。

上位10位以内の旅行先は、前年と比較すると旅行先の変動が大きく出ているが、コロナ前の2019年動向と比較すると、順位の変化はあるものの旅行先にほぼ変化はない。前年8位に入っていたパリは、スポーツの競技大会が7月末から8月中旬にかけて開催されることから、宿泊費が高騰し、且つ取りづらくなっているため15位まで順位を下げている。

物価の上昇や燃油サーチャージ高騰、円安など、海外旅行には向かい風が強い環境下だが、11位ロンドン、14位ロサンゼルス、15位パリ、16位ローマ、18位ミラノ、19位バルセロナと、長距離路線の需要は高く、人気の低下までは繋がっていない。

  • 海外旅行 急上昇ランキング

前年から予約者数が大きく上昇した急上昇ランキングとしては、1位にカイロ(エジプト)がランクイン。約9割がツアーでの予約で、エジプト周遊をはじめ、今年はトルコやギリシャとの2ヶ国周遊ツアーの予約が増加した。3位にはウランバートル(モンゴル)がランクイン。ドラマの舞台としても注目され、ベストシーズンを迎えるモンゴルは、静岡、福岡、広島、名古屋からそれぞれ運航予定のチャーター便を利用したツアーを展開しており、各地域から直行便で行くことができるこの夏ならではの旅行先として需要が高まった。

  • 海外旅行 出発日/帰国日ランキング

今年は一般的に前後が週末に挟まれたお盆期間であるため、8月10日から18日まで9連休となる。この期間での需要が高く、山の日前後の出発に人気が集中している。出国ピークは8月10日、帰国ピークは連休後半の8月17日となっている。海外旅行の平均単価は前年同期比107.9%の192,000円。顧客層別でみると、子ども連れの旅が42.2%、カップル・夫婦の旅が18.5%と、家族旅行の割合が高くなっている。年代別としては、20代が18.3%、40代が16.5%、50代が16.0%と続く。女性が61.7%と旅行意欲は男性より高い傾向がみられた。

  • 国内旅行 予約者数ランキング

国内旅行における予約者数は前年同期比で86.5%となった。全国旅行支援が昨年12月で終了し、一部が県独自で旅行支援策を実施しているが、国内旅行の急な需要拡大は一旦落ち着き、平時に戻っている。足元では、円安の後押しもありインバウンドが急増しており、有名観光地でのオーバーツーリズムや宿泊費の上昇などが課題に。

上位のランキングは前年とほぼ同様となった。5位にランクインした鹿児島は、近年予約者数が増加しており、コロナ前2019年比でみても134.9%と好調。屋久島、奄美群島の需要が高く、豊かに広がる大自然と青々とした海の景観が魅力。人気の出発日は7月28日、7月21日といずれも日曜日出発が人気。週末利用ではあるものの、金曜日、土曜日出発より安い価格であることから選ばれやすい曜日となっている。平均単価は前年同期比104.7%の89,000円だった。