甲本一氏原作の漫画『マッシュル』は、魔法が使えない主人公のマッシュ・バーンデッドが筋肉を武器に、魔法界のトップを目指し活躍するコメディ要素が豊富なバトルファンタジー作品です。

マッシュを執拗に狙うラスボス、イノセント・ゼロには5人の息子(悪魔の五つ子)がいて、それぞれ最強クラスの魔法使いとしてマッシュたちの前に立ちはだかりました。そこで本記事では、息子たちの魔法能力や戦いの最期、マッシュとの関係について詳しく解説します。

『マッシュル』のイノセント・ゼロとは

イノセント・ゼロは、犯罪組織「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」を束ねる凶悪な魔法使いです。過去には、イーストン魔法学校現校長のウォールバーグとともに、歴代最強の魔法使いであるアダム・ジョブズに師事していました。

固有魔法は時間操作で「時間停止」や「やり直し」が可能です。さらに、他者の固有魔法を奪えるイノセント・ゼロは、師匠であるアダムの闇魔法、ライバルであるウォールバーグの空間魔法を奪い、他を圧倒する異次元の魔法使いとなりました。

イノセント・ゼロの息子(悪魔の五つ子)の能力と特徴

ここからは『マッシュル』に登場するイノセント・ゼロの息子(悪魔の五つ子)の特徴や能力について説明していきます。

ドゥウム

家族関係 イノセント・ゼロの長男
使用魔法 ミラージュ、ミラージュイリュージョン、ミラージュセコンズ カロイルスーコーブズ、サモンズフレイヤなど

鏡魔法の使い手で、空間に出現させた鏡から自身の分身を作り出せます。分身は主にフェイントのために使用しますが、サーズ発動時は実体のある分身を生み出せるため、戦力拡大が可能です。

弟たちとは比べ物にならないほどの強者で、全力を出さずとも神格者たちを圧倒しています。父に実力を披露する目的以外でドゥウムに全力を出させたのは、マッシュただ一人です。

無益な殺生は好まず、生まれつき目が見えていないものの相手の力量を正確に測り、力を加減しながら戦っています。マッシュとの戦いでは、全力を出せないことへのフラストレーションを発散するかのように肉体を強化して戦い、感謝の言葉を述べていました。

ファーミン

家族関係 イノセント・ゼロの次男
使用魔法 トランスペマンツ、トランスペマンツサーズ デキウスインクラネイションなど

規律や合理性を嫌う気分屋で、物質を透明にするシンプルな魔法を使います。異常な言動が目立つファーミンは父の血を最も色濃く継いでおり、兄弟からも警戒されるほどです。

「感情に任せて自由に生きるべきだ」との主張通り強欲で、他者の所有物を強引に奪うことも珍しくありませんが、大抵の場合、手に入れた瞬間に興味はなくなります。理不尽な癇癪で部下の命を奪うことも多々あり、兄のドゥウムは「悪癖で迷惑」と否定的です。

ピエロのような見た目にふさわしく、マジックショーのように虚実を使い分け相手を翻弄しながら戦います。サーズ発動時は自身の存在を透明化して相手の認識から完全に消せるため、基本的に攻撃は必中となります。

エピデム

家族関係 イノセント・ゼロの三男
使用魔法 オリハルゴ、オリハルコス、サモンズシーシュポス、オリハルコスサーズ シシュポスインクラネイションなど

スーツと眼鏡に髪型をセットした身だしなみのよさから、兄弟の中で一番紳士的に見えるエピデムですが、知的好奇心が抑えられない非情で冷血な科学者です。その一例として、魔力がなくなり苦しむ人間の様子を観察したいがために、魔力不全ウイルスを製造し投与しています。

魔法界で最強硬度を誇るオリハルコンを操る固有魔法の使い手で、攻撃にも防御にも応用可能です。プリンに対して異常な愛情を抱くエピデムは、サモンズを発動すると魔法の杖がスプーンの形状に変化します。

究極魔法サーズも習得しているエピデムの強さは本物で、巨人族の集団や神格者のツララ・ヘイルストーンを単独で撃破していました。

デリザスタ

家族関係 イノセント・ゼロの四男
使用魔法 アスカロン、ラピッドアスカロン、サモンズアテナ、ギガントマキアなど

「デリザスタに突き壊せないものはない」と言われるほどの鉾使いで、その実力は魔法界一と評価されています。ふざけた言動が目立つお調子者で、兄弟の中で最も軽薄な享楽主義者です。

いつでもその瞬間の楽しさを優先するため戦闘中でも若者のようなノリで、真剣味に欠けます。当然弱者の心情を理解しようなどという思考は持ち合わせていません。父から供給されるエネルギーに頼りすぎる節があり、自身を過大評価している様子が見受けられます。

とはいえデリザスタが魔法で生み出す鉾の威力は絶大で、屈強なエルフ族の戦士50人に圧勝しています。これまで300人もの命を奪っており、必死で戦う者をあざ笑い、真面目な人間が表情を歪ませる様に快感を覚える異常性の高い人物です。

ドミナ・ブローライブ

家族関係 イノセント・ゼロの五男
使用魔法 ウォーターズポンド、ウォーターズセコンズ サウザンドアーチャーフィッシュ、サモンズポセイドンなど

水を操る固有魔法の使い手で、ヴァルキス魔法学校の1年生にして神格者候補になる実力者です。赤子とは思えない魔力量を持って生まれたドミナを、父は「魔法使いの資質だけなら兄弟の中で一番」と評価しています。

生まれながらにして承認欲求が強かったドミナは、同時期に生まれた弟のマッシュが魔法を使えないのに自身と同じように扱われていることが受け入れられず、敵対視するようになりました。目的のためなら人を傷つけることも厭わない冷酷さは父親譲りです。

物心ついた頃から隔離され孤独に育ったドミナは、父に必要とされることに喜びを覚え深く敬愛し尽くしていました。しかし、本心では純粋な愛情を求めていたことを自覚しており、マッシュとの戦いを機に歪んだ心を改めています。

悪魔の五つ子の最期

魔法界でトップクラスの力を持つ悪魔の五つ子ですが、最後の戦いではマッシュやほかの魔法使いに敗北しています。

それぞれの対戦相手や戦いの様子、結末は次のとおりです。

名前 最後の戦いとその結末
ドゥウム メリアドールの特訓を受けて覚醒したマッシュと対戦するも、圧倒的な実力差の前に完敗。その後、魔法警察の留置場に入れられる
ファーミン オーター・マドルと対戦。回避不能の攻撃を繰り出すも、戦地となったサーカス会場全体が砂と化し蟻地獄に引きずり込まれ敗北。その後、魔法警察の留置場に入れられる
エピデム ランス・クラウン、ドット・バレットと対戦。ランスが負傷したことで魔力を解放したドットの攻撃に打ち負け敗北。その後、魔法警察の留置場に入れられる
デリザスタ レイン・エイムズ、フィン・エイムズと対戦。一時はレインを圧倒するものの、回復魔法を極めたフィンの参入により形勢逆転し敗北。その後、魔法警察の留置場に入れられる
ドミナ・ブローライブ マッシュと対戦し嫉妬や憎しみをぶつけたのち和解。改心し、マッシュを助けるため犠牲になる。最終戦では父と戦い敗北したもののマッシュ復活に大きく貢献。その後、ヴァルキス魔法学校で真っ当に過ごす

マッシュはイノセント・ゼロの息子? 悪魔の五つ子との関係は?

マッシュは、イノセント・ゼロが目的を果たすために設けた息子の一人で、悪魔の五つ子とは兄弟関係となります。

イノセント・ゼロの目的は、6人の血縁者の心臓から不老不死の心臓を作る禁忌魔法で、永遠の命と永劫の強さを手に入れることです。イノセント・ゼロを慕う5人の子どもたちのことはパーツとしか思っておらず、もちろんマッシュへの愛情も一切ありません。

6人の子どものうち唯一魔法が使えなかった末っ子のマッシュは、生後間もなく行方不明となっていました。しかし、イーストン魔法学校で騒ぎを起こしたことで所在が判明し、マッシュはイノセント・ゼロに心臓を狙われるようになります。

『マッシュル』とは

魔法ではなく筋肉を武器に戦う少年、マッシュ・バーンデッドが魔法界で特別な存在である「神格者」を目指し、仲間たちと切磋琢磨する日々を描いたアブノーマルな魔法ファンタジー作品『マッシュル』。2020年1月に『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートし、2023年7月に完結を迎えました。白熱する魔法バトルはもちろん、コミカルな描写やテンポよく進む展開が魅力的で、単行本の累計発行部数は500万部を突破しています。

同作はアニメ化もされており、2023年4月にはTVアニメ第1期が、2024年1月には第2期が放映されました。特に第2期はCreepy Nutsによるオープニング曲「Bling-Bang-Bang-Born」が世界的なスマッシュヒットを記録。作品の認知度が一気に高まり、これまで同作を読んだことがなかった人が知るきっかけ作りにつながりました。

イノセント・ゼロの息子の特徴やマッシュとの関係性を紹介しました

イノセント・ゼロは、永遠の命と強さを手に入れるために6人の息子を生み出していました。マッシュもイノセント・ゼロの息子の一人で、悪魔の五つ子はマッシュの兄にあたります。

イノセント・ゼロから息子たちへの愛情はなく、目的達成に必要なパーツとしてしか見ていませんでしたが、5人の息子はみな最強クラスの魔法使いに成長し父のために戦っていました。

重たすぎる運命を背負い生まれてきたマッシュですが、決して暗くならないのが『マッシュル』の魅力です。イノセント・ゼロの息子たちの魔法やマッシュたちとの戦いの結末は、原作漫画で改めて振り返ってみてはいかがでしょうか。

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