鉄道博物館(さいたま市)は12日、鉄道写真家・南正時氏から寄贈を受けた作品展の第4弾「鉄道写真家・南 正時 作品展 Lの時代 国鉄特急、大集合!」を7月6日から9月23日まで開催すると発表した。
約半世紀にわたる活動を通じ、「鉄道写真」というジャンルを確立した南氏の作品のうち、1970年代から1980年代末までの特急列車をテーマとした写真約90点を中心に展示。当時、運行本数の多い昼行の在来線特急列車は「L特急」という愛称で親しまれた。
作品展示コーナーでは、南氏が撮影した国鉄特急の作品を5つのテーマに分けて展示する。「プロローグ : 特急との出会い」は、南氏の特急列車との「出会い」をテーマに、特急「こだま」など特急形電車・気動車の初期の作品を展示。「特急と『出会う』」は、「特急とさまざまな出会い」をテーマに、「季節と出会う」「車両と出会う」「人と出会う」の3つの観点から展示する。
「全国を走った特急列車たち」にて、各地区・線区の代表的な列車を愛称別に展示。「 特急列車の旅」で当時の特急列車の車内や乗客、乗務員の様子を取り上げる。「変化する特急列車」は、1987年4月のJR発足前後、国鉄形の車両を改造したグレードアップ車や塗色変更車を当時の旅客サービスなども交えて紹介する。
作品の鑑賞にあたり、参考となる特急列車の車両形式と愛称、運転区間の変遷を図表で紹介する「特急データベース」を用意。1978年10月のダイヤ改正で登場し、ブームを引き起こした絵入りトレインマークを収蔵資料で紹介するとともに、当時、特急列車に憧れを抱いていた鉄道少年の部屋の様子を「鉄道少年の部屋 ~絵入りトレインマークブームの頃~」として蘇らせるという。
展示室内に掲出しきれなかった南氏の作品をスライドショーで上映するほか、デジタル化した鉄道博物館所蔵の特急列車に関する映像作品の上映も予定している。
特別イベントとして、南氏本人と展示室内を巡りつつ、展示作品にまつわるエピソードなど聞ける「企画展展示室ガイドツアー ~Lの時代を歩く~」(7月6・7日、8月3日の各日14~15時)、南氏の作品と撮影時のエピソード等を本人の解説で聞ける「トークショー ~Lの思い出~」(8月4日と9月23日の各日13時から14時30分まで)、車両ステーションのクハ181系電車内にて南氏本人による展示作品の紹介と特急全盛期の撮影にまつわるエピソードを聞ける「スペシャルトークショー ~L特急に乗って~」(9月22日の13時から14時30分まで)を開催。その他、オリジナルトレインマーク缶バッジを作るワークショップ、特急列車に関する親子対抗のクイズ大会も開催される。