Airbnb Japanは5月2日より2024夏季のアップグレードとして、特別な旅体験を集めた新カテゴリ『アイコニック』の導入をはじめた。担当者は「これまで想像上のものだった、魔法のような世界を旅する体験をお届けします」とアピールする。
■特別な旅体験を集めた
現在、220以上の国と地域で展開しているAirbnb。ゲストに部屋を貸し出すホストの数は500万人を超え、世界でのべ15億人以上がサービスを利用している。そんな同社では年に2回のアップグレードを発表しているが、今季はとてもユニークな内容となった。
新カテゴリ『アイコニック』は、世界的に有名な人物や作品をテーマにした、特別な旅体験を集めたもの。具体的には、以下の11件の旅を用意する。
うたた寝をさそう空飛ぶ家
ニューメキシコ州アビキューの赤い岩に囲まれた風光明媚なロケーションに、8,000個以上の風船を飾った”空飛ぶカールじいさんの家”を忠実に再現。ゲストは夢のような家の中で、映画の世界観に浸りながら滞在できる。
フェラーリ博物館で過ごす夜
イタリアのマラネッロにあるフェラーリ博物館では、フェラーリに使われているシートと同じ革で作られたベッドで就寝。スクーデリア・フェラーリのドライバーアンバサダーであるマーク・ジーンと一緒にレーストラックを一周する、VIPとしてエミリア・ロマーニャグランプリを観戦する、といった特別体験も用意されている。
オルセー美術館で目覚めよう
パリにあるオルセー美術館を代表する「時計の部屋」に滞在できる。豪華な寝室は、パリ2024大会の聖火と聖火台をデザインしたマチュー・ルアヌールによるもの。テラスからは、セーヌ川沿いで行われる歴史的なオリンピック競技大会の開会式を鑑賞できる。
このほか、以下のような旅を用意する。
・『X-MEN ’97』の世界に入り込もう
・ケヴィン・ハートと満喫するVIPなひととき
・ドージャ・キャットのリビングルームセッション
・プリンス『パープル・レイン』の家に滞在
・カビー・ラメとゲームをプレイ
・Feidのツアーに同行しよう
・ボリウッドスター、ジャーンヴィ・カプールの暮らし
・『インサイド・ヘッド2』でコアメモリーを作ろう
ほとんどのアイコニックな旅は無料。有料のものでも、ゲスト1人あたりの料金が100米ドルを超えるものはない。Airbnbでは、上記の11件の旅を体験できるゴールデンチケットを4,000枚以上配布する。また年内には、新たに8件の旅を追加する。
■グループ旅行にも新機能
Airbnbの予約の80%以上はグループ旅行。そこで今回、グループ旅行のプランニングをより簡単にする新機能『グループのお気にいり』『新しいメッセージタブ』『旅行の招待』も導入する。
『グループのお気にいり』では、一緒に旅行するメンバーにお気に入りを簡単に共有できる。メモの追加、宿泊先の投票、旅行日程・宿泊人数の調整にも対応する。
また、デザインを一新した『新しいメッセージタブ』では、旅行に参加するメンバー全員がグループスレッドを通じてホストとメッセージをやり取りできるようになった。ゲストとホストは絵文字を使ったやりとりも可能。なおAIによるクイック返信の提案により、ゲストからのよくある質問にホストが即座に返答できるようサポートもしていく。
『旅行の招待』は、いわゆる”旅のしおり”を発行する機能。旅行の予約が完了したタイミングで、一緒に旅行するゲスト全員を招待し、正確な住所、Wi-Fiパスワード、チェックイン手順など、すべての予約情報を共有する。世界中のアーティストによって描かれた旅行先のデジタル絵はがきが添えられるため、旅情もかきたてられる。
■日本旅行が人気
Airbnb Japan代表の田邉泰之氏は、コロナ禍が明けたいま、再び世界中の旅行者が日本旅行を検討していると説明する。「やはり日本は人気エリアです。今年(2024年)1月~9月の旅行先として、世界中の旅行者が『日本』を検索しています。その数は昨年同期比の3倍に急増しており、世界で最も高い”増加率”となりました」と田邉氏。
また日本国内のゲストがこの夏に行きたい日本国内の場所としては、山梨県北杜市、千葉県南房総市、新潟県長岡市などが上位にランクイン。首都圏から2~3時間でアクセスできて、山や海などの自然豊かな場所に行ける、そうしたニーズが高まっているのでは、と田邉氏は分析する。また家族旅行を含む今夏の国内旅行先として検索された上位10件のうち5件は沖縄地方(石垣島、宮古島、那覇、恩納村など)だった。
一方で、日本人が海外旅行先として検索している都市のランキングでは、パリ、ホノルル、ロンドンが上位に。検索の増加率ではスイスのグリンデルヴァルト、インターラーケンが上昇しており、家族旅行の検索ではフィリピンのセブ、マニラが注目されていると説明した。
日本国内では、空き家の増加が社会課題になっている。その全てをホテルに建て替えることはできないが、民泊できるくらいに改装すればゲストが滞在して、そのエリアに住んでいる人と同じように商店街で買い物をしたり飲食をしたりする、それが地域に経済効果をもたらす、と田邉氏。今後もAirbnb Japanでは認知度を上げていくとともに、空き家の活用、古民家の再生を考えている企業や団体と連携してサービスを拡大していくと話していた。