映画『ミッシング』(5月17日公開)の特別試写会が24日に神奈川・ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいで行われ、主演の石原さとみが登壇した。

  • 石原さとみ

同作は、吉田恵輔監督によるオリジナル作で、とある街で起きた少女の行方不明事件を描く。娘が行方不明になった時、母・沙織里(石原)はネット上で誹謗中傷の投稿がなされ、苛立ちを募らせていく。さらに日が経つにつれ、夫・豊(青木崇高)との温度差も感じ始め、言動も次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまう。一方、地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)には局上層部の意向で、視聴率獲得の為に世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。

■石原さとみ、新オープンの映画館で鑑賞希望「この後に仕事がなければ…」

ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいのオープニングセレモニーに引き続いて登壇した石原は、「映画館の新しい香りがしますね!(笑)」と開口一番、笑いを誘う。続けて「その新しい映画館で、このフレックスサウンド(音と振動を発生させるスピーカーが内蔵された椅子)で、しかも公開前の『ミッシング』を観て頂ける……限られた貴重な機会だと思います! 正直、私もこの後に仕事がなければ皆さんと一緒に観たいくらい(笑)」と笑顔で話した。

7年前から今作を手掛けた吉田恵輔監督(※吉はつちよし)作品への出演を熱望していたという石原。当時、女優として不安を抱えていたそうで「変わりたい、自分の伸びしろを信じたいと感じていて。もっともっとお芝居が好きになりたい、学びたい、変わりたい、今の自分を壊してほしいとすごく思っていました」と明かす。

そんな思いから吉田監督に作品出演を願い出たという石原は、当時を振り返り「お会いした瞬間、監督は酔っぱらっていた(笑) でも『作品にどんな役でもいいから出たい』とお願いしたら、『ちょっと石原さんはメジャーでイメージわかないな……都会な匂いがする』と言われた」と回顧した。

また、吉田監督作品の魅力について聞かれると、「主人公が主人公としてフォーカスされていないところがとても好き」と回答。「映画では、主人公をベースに描いているので他の人物が消されていることがよくあるんですが、(吉田監督作品は)悲劇のヒロインじゃない、あなたが世界の中心じゃないということが描かれている」と説明する。さらに「あなたが苦しんで悲しんでいても、同じ時に違うことでエネルギーを使って怒っている人がいたり、悲しんでる人がいたり、笑っている人がいたり……人には人の時間軸があるんだということが、1枚の画でわかる。これがリアリティなんだなと感じることができるので好きなんです」と魅力を熱弁した。