キリンビールは、5月より団体に向けた「適正飲酒セミナー」を実施する。今年2月には、国内初となる飲酒に関するガイドラインが厚生労働省より公表され、適正飲酒の啓発の重要性も高まっていることが取り組む背景に。
4月23日にはメディア向けにセミナーが開催され、講師のキリンアンドコミュニケーションズ キリンホールディングス 後藤沙耶香さんより、お酒のリスクやお酒との正しい付き合い方について説明された。
■「お酒で酔う」状態とは?
同セミナーで配布される「お酒との上手な付き合い方」という冊子には、アルコールパッチテストが入っている。このアルコールパッチテストを通して自分や周りの体質などを理解しながら、正しいお酒との付き合い方を学んでいく。
まず、「お酒で酔う」という状態について説明。アルコールは血液によって、脳へも運ばれることで、脳の神経細胞に作用し、麻痺させる。それによって「酔った」状態に。また、血液中にどのくらいアルコールが巡っているかによって「酔い」の状態が変わってくるという。
■お酒のリスク - 純アルコール量を知ることが大切
続いて、お酒のリスクについて説明された。身体や精神への影響を知るには、お酒の濃さを表す「アルコール度数」ではなく、お酒に入っている「純アルコール量(g)」で考える必要がある。「純アルコール量(g)」は現在では缶に記載がされているものも増えているそう。
アルコールに強い人の場合、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」(1日あたりの純アルコール摂取量)は、男性が40g以上、女性が20g以上とされている。1日あたり男性だと20g、女性だと10g程度でほろ酔い程度になる。
また、飲酒運転におけるリスクについても説明。お酒は少量飲んだだけでも、情報処理能力や注意力、判断力などが低下し、わずかな反応の遅れなどが事故につながる。車やバイクだけでなく、自転車や電動キックボードも飲酒運転となるので注意が必要と後藤さんは話す。アルコールの消失については、個人差があり、最も早い人と遅い人では4~5倍程度の差があるという。
「たとえば、ビール500ml缶を飲んだ際、飲酒後、最低5時間は運転をしてはいけないことになっています。飲んだら運転をしないが鉄則です」(後藤さん)
■心地よくお酒を楽しむために
最後に、同社が推奨する「SLOW DRINK」について紹介された。自分が心地よく楽しめる量を知ることにくわえ、周りも心地よく過ごせることが大切だと後藤さん。
「SLOW DRINK」は、3つポイントがあるという。一つめは、だれかと楽しさを分かち合いながら、お酒の時間を過ごすこと。二つめは、料理と一緒に味わって楽しむこと。食べ物とお酒の相性「ペアリング」を探ってみるのもおすすめだという。三つめは、時には水やノンアルコールを挟んで、自分に合った量で楽しむこと。
「お酒を『飲む』『飲まない』は個人の選択です。無理にすすめられた場合は、断る勇気を持ちましょう。キリンでも、清涼飲料やノンアルコール飲料を展開しておりますので、活用して楽しんでいただければと思います」(後藤さん)
セミナーは、30~50名程度の団体に向けて、5月より年間25回を予定。料金は一人200円で、開催形式はリアルまたはオンライン。同社Webサイトより申込を受け付けている。