俳優の吉沢亮が主演を務める、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024年9月公開)のティザーポスタービジュアル、WEB限定 超特報が23日に公開された。
同作は、作家・エッセイストとして活躍する五十嵐大氏の実録ノンフィクション『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎刊)の実写化作。耳のきこえない母と、きこえる息子・五十嵐大(吉沢亮)の物語を点描のように繊細に紡いでいく。
■映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』キャスト明らかに
五十嵐大(吉沢)のろう者の両親として、母・明子役に忍足亜希子、父・陽介役に今井彰人が決定。ろう者俳優として活躍する2人が息子への思いを表現している。さらにユースケ・サンタマリア、烏丸せつこ、でんでんなど個性豊かな俳優陣が脇を固める。
あわせて公開されたティザーポスタービジュアルは、主人公・五十嵐大が故郷である宮城県から東京に向かう電車の中の一幕を切り取ったもの。車窓をまっすぐに見つめる瞳には故郷への思い、そして未来への期待が込められている。撮影をしたのは写真家・文筆家の齋藤陽道で、原作『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』の表紙も撮影しており、本作のポスター写真撮影も担当することとなった。
WEB限定超特報では、橋梁を走る列車の車窓、駅のプラットフォームに故郷・宮城から上京するための列車を待つ五十嵐大(吉沢亮)が。きこえる世界の彼は、きこえない世界の母の後ろ姿を見つめる。そして大を乗せた列車が新緑のトンネルをぬけ、これから経験していくで“ふたつの世界”をつなぐかのように進んでいく。母のことを思いながら、未来への思いを馳せる大の表情から本作の物語を伝える映像となっている。
■忍足亜希子 コメント
きこえない親から生まれ育ったコーダの五十嵐大さんの人生、撮影を通して私も親の気持ちで成長させていただきました。 私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつきこえない子供で、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。 自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらもきこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。 コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います。 呉美保監督をはじめ吉沢亮さんと共に五十嵐大さんの人生を歩みながら、沢山のことを学ばせていただきました。
■五十嵐大 コメント
ふたつの世界に挟まれ、まるで揺蕩うように生きるコーダについて説明するのは、いつだって難しい。だからこそ、理解してもらうことを諦めていた時期もありました。でも、社会は少しずつ前進していて、ようやく、コーダが抱える葛藤にも目が向けられるようになりました。子どもの頃の自分がいまの状況を目にしたら、「世の中は捨てたもんじゃないな」と思うかもしれません。完成した映画は、想像を遥かに超えるものでした。コーダの苦しみが描かれつつも、そこにあるのは普遍的な親子の愛情です。きこえない母ときこえる息子がどんな愛情を紡いでいくのか、ひとりでも多くの方に観ていただけることを願っています。
【編集部MEMO】
『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』 を原作にした映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』。宮城県の小さな港町で暮らす五十嵐家に、男の子が生まれた。両親、祖父母は“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、父・陽介と母・明子の耳がきこえないこと。幼い大にとって、時には母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし成長とともに、周囲から特別な目で見られていることに戸惑い、苛立ち、母の明るさすら疎ましく思いはじめて、冷たい態度をとることが増えていく。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大。そして数年後。“きこえない世界”と“きこえる世界”のふたつの世界を行き来するなかで、帰郷したある日、記憶の底に隠れていた母への思いもかけない気持ちがあふれ出す。
(C)五十嵐大/幻冬舎 (C)2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会