日本テレビ系バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(毎週木曜20:00~)が、この4月で30周年を迎える。このほど、ナインティナインの岡村隆史と矢部浩之が取材に応じ、これまでの思い出や名物企画「ゴチになります!」への向き合い方、そして30年でのバラエティの変化などを語った。
テレビというのが何かを教えてもらった番組
30年前を思い出し、「22歳からやらしてもらって、ゴールデンになったら大物の方がゲストで来ていただけるようになったんですけど、自分に何の説得力もないじゃないですか。だから、いつも違和感を持ってましたけど、必死さのほうが勝ってたのを思い出しますね。もがいてたなって」と回想する矢部。
それを受け、岡村は「武田鉄矢さんとお仕事させていただいた時に、“憧れの金八先生と仕事できるんだ!”と思ってご挨拶したら、“あっ”って言われただけで、この人は金八先生じゃないんだと思いました(笑)。芸能界を見ていくような瞬間も多々あって、いろいろと頑張らせてもらっているうちに、先輩方にも認めていただいたなと思いますね」と振り返る。
岡村はさらに、「テレビっていうのが何かを教えてもらった」とも。「ロケの時にいくら面白いこと言っても、ガチャガチャしゃべってる中で言ったら残らないよって。まず“あの!”って言うとか、自分にカメラを向ける技術を覚えなさい、と指導してもらったのはこの番組でした」と、この業界の基礎を学ぶ場にもなっていたそうだ。
バンジーより「クビになりましたね」
当初は体を張った企画ばかりだったという『ぐるナイ』。岡村は「昔は何かあったらすぐバンジージャンプかスカイダイビングでしたよ。着地した時にどう泣いてるのか、鼻水たれてるのか、オシッコ漏らしてるのかって、大喜利ですからね。『(ビートたけしの)お笑いウルトラクイズ』のスタッフの方もいたというのがあって、すぐ爆破、落とし穴、高いとこから落とされるっていう感じでした」と述懐。それが、「今は(芸人から)NGリストを番組に提出するんですから。そんなん、俺らの時ないから(笑)」と隔世の感だ。
矢部は「“嫌がるからやる、面白いでしょ?”がもう成立しなくなってるんですよね。本当に嫌なものを無理やりやらせたら、番組側の責任になるから」と解説する。
体を張った企画が並ぶ中で、今や看板企画の「ゴチになります!」がスタートしたが、矢部は「最初は若かったんで、座って食べて値段当てるだけでいいのかって思ってましたね。でも、お笑いが大好きな人だけが見てるんじゃないとうのを、ゴチを通して知れました」といい、岡村も「食べ物食べるだけでいいのかなと思ってたんですけど、やっぱりいろんな方から声かけてもらえるようになったのはゴチでした」と、認知の拡大を実感。
近年は2人で抱き合ってバンジーに挑んでも、矢部は「あのOAの後、何も言われないですから(笑)。こっちは久しぶりに体張ったなと思うんですけど、それより“ゴチ、クビになりましたね”のほうが世間の声が大きい。こんなんいらんねやって思いました」といい、岡村は「“体張り系やってください”って言われたらやれますけど、今はそういうことでもないのかな」と、時代の変化を感じている。