『NHKスペシャル・シリーズ未解決事件「File10.下山事件」』がNHK総合にて3月30日に放送される。第1部(19時30分から20時48分まで)はドラマ、第2部(22時から22時54分まで)はドキュメンタリーの2部構成となる。
「下山事件」は、「戦後史最大のミステリー」として、いまなお多くの謎につつまれる未解決事件。占領期だった1949(昭和24)年7月、国鉄職員10万人の解雇に関して労組と交渉中だった下山定則総裁が突然の失踪。その後、謎の轢死体で発見された。
取材班は今回、厚いベールに包まれてきた怪事件に光を当てる「極秘資料」を入手。4年にわたる解析・取材の末、検察が追っていた真犯人の実像と、その水面下で繰り広げられていた超大国の緻密な謀略が浮かび上がってきたという。
第1部は、戦争の影を色濃く残す占領期に浮かび上がった「巨大な闇」に、人生をかけて立ち向かった1人の検事の壮絶な戦いをドラマ化。安達奈緒子氏が脚本を手がけ、森山未來さん、佐藤隆太さん、大沢たかおさん、渡部篤郎さんらが出演する。
下山総裁が轢死体で発見された後、検死解剖が行われ、死体から血が抜き取られていたことが発覚。自殺か他殺かをめぐり、大論争へともつれ込む。そんな中、東京地検の主任検事として捜査を指揮することになった布施健(森山未來さん)は、自殺として不可解な点が多いことから、他殺の糸口を探っていくという。第2部は新資料から事件の真相に迫るドキュメンタリーを放送する。
放送に先立ち、試写会・出演者取材会が行われ、森山未來さんが登壇。「下山事件」のドラマ化にあたり、「戦後最大のミステリーと言われているだけあり、物語としての面白さがありますが、事実を基に描かれていることは間違いありません」「謎めいた物語で、見ている分には面白いのですが、演じている時は無常観というか、そういったものにおそわれていた記憶があります。こういうことが本当にあったのだと、より多くの人に知ってもらうことが番組の意義につながると思っています」とコメントしている。