西武鉄道とJR東日本は26日、車両側面に設置したカメラの映像からAIによって車両への人の接近を検知する「お客さまの車両への接近を検知するシステム」における技術協力を行うと発表した。

  • 西武鉄道はJR東日本と同様の「車載ホームモニタシステム(車両完結式)」を採用(JR東日本提供)

両社はスマートな事業運営の加速を目的とした覚書を2022年9月28日に締結し、鉄道技術分野における協力を強化している。今回、西武鉄道はデジタル技術を活用した利用者の安全性向上を目的に、JR東日本と同様の「車載ホームモニタシステム(車両完結式)」を採用。ワンマン運転線区において2026年頃の本稼働をめざす。

あわせて両社は、車両側面に設置したカメラの映像から「お客さまの車両への接近を検知するシステム」における技術協力を実施。これにより、AIの機械学習に使用するデータ量を増やすことが可能となり、システム全体の設計・施工・習熟といった全体工程のうち、人物検知機能に関する習熟期間を短縮でき、よりスピーディーな導入の実現と安全性向上が期待できるとしている。

  • 「お客さまの車両への接近を検知するシステム」機能動作イメージ (JR東日本提供)

「車載ホームモニタシステム(車両完結式)」は、JR東日本グループがワンマン運転の際、乗務員が利用者の乗降状態を確認する手段として開発。営業列車において、車両の側面に設置したカメラの画像を運転席に表示し、安全を確認している。

ホーム上の利用者が多いシーン等において、より安全性を高めることを目的に、カメラの画像から利用者が列車に接近した状態を検知し、乗務員に通知する技術も2018年度から開発を進めている。現在、相模線の1編成に「お客さまの車両への接近を検知するシステム」を搭載し、営業列車での検証試験を実施している。