北大阪急行電鉄は23日、南北線延伸線(箕面萱野~千里中央間)の開業を記念し、箕面萱野駅で出発式を開催した。営業初列車は5時19分に箕面萱野駅の1番線ホームから発車。早朝にもかかわらず、多くの利用者でにぎわった。
これまで終着駅だった千里中央駅から北へ約2.5km延伸し、箕面船場阪大前駅と箕面萱野駅の2駅を新設。新たに終着駅となる箕面萱野駅は1面2線の高架駅で、北改札からホームまでは段差なくつながっている。出発式が行われた3月23日早朝、1・2番線ホームに北大阪急行電鉄の9000形が並び、2編成とも車体前面・側面の表示器に「滝ノ道ゆずる」「モミジーヌ」(箕面市PRキャラクター)のイラスト入りで「祝開業」と表示された。
出発式では、箕面萱野駅の駅長を務める田中裕介氏への花束贈呈が行われ、続いて北大阪急行電鉄代表取締役社長の内芝伸一氏が挨拶。「延伸線は構想から半世紀余り、関係4者による基本合意で実現に向けて動き出してから10年、建設工事に着手してから7年、多くの人々の思いを乗せ、いままさに出発進行の時を迎えました。これまでのご尽力、ご期待にお応えするためにも、一丸となって安全・安心・快適な輸送サービスを提供し、地域社会に貢献することを誓います」と述べた。
内芝社長ら関係者によるテープカットが行われた後、5時に箕面萱野駅の改札口がオープンすると、沿線住民や鉄道ファンら多くの利用者がホームへ入り、営業初列車の発車時刻が近づくまで人の波が絶えることはなかった。1番線ホームに停車していた営業初列車の車内も、多数の乗客で混雑していた様子。5時19分、田中駅長の合図とともに、警笛を鳴らしながら営業初列車が発車し、千里中央方面へ向かった。
出発の合図を行った田中駅長は、「延伸開業ということで、箕面市の皆様にとって長年の念願とお聞きしていますし、弊社としても長年取り組んできた事業。ようやく一番列車を出発させることができ、感無量という思いです」とコメント。箕面市民へのメッセージを求められ、「本当に長い間お待たせしました。北大阪急行電鉄をご利用いただき、生活の幅を広げていただけたら」と語った。
5時39分に2本目の列車が箕面萱野駅の1番線ホームから発車した後、5時43分頃、千里中央方面からの始発列車が1番線ホームに到着。扉が開くと同時にホームは多くの利用者であふれ、延伸開業した新線・新駅に対する関心の高さをうかがわせた。今後、御堂筋線(Osaka Metro)・北大阪急行線の列車は早朝の1本(千里中央駅始発)を除き、すべて箕面萱野駅発着に。箕面市内から大阪市中心部へ乗換えなしで行けるようになり、箕面萱野駅から新大阪駅まで最速19分、梅田駅まで最速25分、なんば駅まで最速34分で結ばれる。