現役時代に317勝を挙げ、1993年から3年間は近鉄バファローズの監督を務めた“草魂”鈴木啓示氏が、YouTube『落合博満オレ流チャンネル』に出演。その中で、かつて近鉄のエースだった野茂英雄との関係がよくなかったことに触れている。
「現役時代は走り続けた。走ることは、車にガソリンを入れるのと一緒。走られへんようになったらカラダがガス欠になる。ボールは腕で投げるんじゃなくて、足腰で投げるという感覚しかなかった」
そう走り込むことの大切さを口にした後、鈴木氏は言った。
「それを同じように野茂らに『走れ!走れ!』言うたら、もう拗ねてしもうて。走るとか、投げ込むとかをしないね、あの子は。それでも勝ちよったから、『もうちょっと走り込んで、もうちょっと投げ込んだら20勝くらいすぐできる』て言うたんやけどな。自分の感覚通りに人は育ってくれる、ついてきてくれると思ったらアカンわ」
「ピッチャーは走らなかったら投げられないというのが、分からないんでしょうね」
落合氏が言葉を挟むと、鈴木氏は続ける。
「選手に上手くなってもらいたいと思うやんか。でもそれが裏目に出て、一方的に説教染みたことを言うとると思われたんや。俺は持っていき方が下手やねん」
落合博満のオレ流チャンネル『【対談SP】草魂の野球哲学、野茂との関係を激白【博満の部屋Vol3/4】では、鈴木氏が自らの野球体験、哲学を赤裸々に語っている。忖度なし、真正直な語り口が耳に心地よい。
▼【対談SP】草魂の野球哲学、野茂との関係を激白【博満の部屋Vol3/4】