ベネッセ i-キャリアが運営する、新卒向け就活サービス「doda新卒エージェント」および新卒オファーサービス「dodaキャンパス」は、「企業の新卒採用における生成AI(ChatGPT等)の利用実態」に関する調査結果を1月24日に発表した。調査は2023年12月14日〜23日の期間、顧客企業の176社を対象に行われた。

  • 新卒採用業務に生成AI(ChatGPT)を利用しているか

はじめに、新卒採用業務に生成AI(ChatGPT)を利用しているか聞いたところ、88.6%の企業が「いいえ」と回答。「はい」は11.4%となり、企業での利用は約1割にとどまった。

「はい」と回答した企業の具体的な利用場面について、1位は「スカウト文面の作成」(33.3%)、2位は「募集要項の作成」(30.3%)だった。また、65.0%の企業が生成AIを利用することで「プラスの影響があった」と回答。

その理由について、トップは「面談・面接などの対面コミュニケーションにかけられる時間が増えた」(35.0%)、次いで「採用基準の言語化・標準化に役立った」(25.0%)が続いた。また、75%の企業が生成AIの利用によって業務効率化が進んだと回答している。

  • 学生の生成AI利用について企業の考え

学生の生成AI利用について企業の考えは、「積極的に利用するべき」(6.3%)、「必要に応じて利用しても問題ない」(64.2%)となり、約7割の企業が利用に肯定的であることがわかった。

企業として、学生は就活のどのような場面で生成AI利用が望ましいか尋ねると、1位に「業界・職種研究」(26.2%)、2位に「企業分析」(22.5%)がランクインした。

一方で、生成AIを利用すべきでないと回答した企業にその理由を聞いたところ、半数以上の企業が「生成AIに頼らず選考に臨んでほしいと考えるため」(52.1%)と回答。

  • 企業として学生が就活で生成AIを利用すべきでないと考える理由

学生の生成AI利用が進んでいる今、対応を検討している(もしくは対応が決まっている)ことについて聞いたところ、約半数の企業が「対応の予定はない」(47.7%)と答えた。

  • 企業として対応を検討していること

何らかの対応を検討している企業においては、「『面接』など対面形式の選考に重きを置く」(17.0%)、「対応を検討しているが、具体的に決まっていない」(13.8%)が上位となった。

  • 採用要件(求める人物像)に変化が生じるか

企業や学生の生成AIの利用が進むことにより、採用要件(求める人物像)に変化が生じるかについては、半数以上が「わからない」(54.5%)と回答。また、「いいえ」(36.4%)が「はい」(9.1%)を大きく上回る結果になった。