第170回直木賞が17日に発表され、河崎秋子氏の『ともぐい』と万城目学氏の『八月の御所グラウンド』がW受賞となった。NEWSの加藤シゲアキが『なれのはて』で2回目のノミネートとなっていたが、受賞を逃した。

  • 河崎秋子氏(左/(C)新潮社)と万城目学氏

加藤は12年、『ピンクとグレー』で作家デビュー。その後『閃光スクランブル』、『Burn-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』、『できることならスティードで』を発表し、『オルタネート』で第164回直木賞候補に。同作では、第42回吉川英治文学新人賞、第8回高校生直木賞を受賞した。

前回ノミネートした際、選考委員の北方謙三氏は「個人的には非常に推したんですよ。青春小説として非常によく書けていると思いました」と高く評価。決選投票になる前に「加藤シゲアキを直木賞に受賞させようというような機運を作ろうという意思が選考委員の中に2~3あって、私もその1人でしたけれど、やっぱりこれはもう1作くらい待ってみようということでした。とっても惜しかったと思います」と経緯を明かしていた。

直木賞はこのほか、嶋津輝氏『襷がけの二人』、宮内悠介氏『ラウリ・クースクを探して』、村木嵐氏『まいまいつぶろ』がノミネートしていた。

なお芥川賞は、九段理江氏の『東京都同情塔』が受賞した。