1月14日からスタートするTBS系日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(毎週日曜21:00~)で主演を務める西島秀俊にインタビュー。本作の魅力やマエストロ(指揮者)役への挑戦、娘役・芦田愛菜との共演などについて話を聞いた。

  • 『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』で主人公・夏目俊平を演じる西島秀俊

本作は、天才指揮者だったが“ある事件”で家族も音楽も失った父親・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が、地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくヒューマンドラマ。

西島は、本作の物語に魅力を感じ、すぐに出演を決めたという。

「プロットと企画に数行書いてあるセリフや物語を読んで感動し、この作品に関われるのであればぜひお願いしたいとすぐ思いました。人が生きていく中で困難なことは必ずあって、大きな挫折を経験している人たちが音楽を通してもう1回再生していく物語が、どこか遠い物語ではなく自分たちの物語のように感じられる企画だったので、参加したいと思いました」

指揮者役についてはハードルの高さを感じたという。

「指揮者という職業を演じられるのかなと。いまだに苦労していますし、撮影中ずっと、次の曲、次の曲ということで、いつまで経っても『できた!』というより一曲一曲に向かっていく感じです」

そして、指揮者を演じる難しさについて「どのマエストロの映像も、教えていただく先生も、皆さん全く違う」と言い、「もちろん基本はありますが、結果としてはバラバラで全く正解がない。皆さんの道をひたすら進んでいるので、模倣から入りますが最終的には自分の道を探していくしかないのかなと思っています」と語った。

音楽監修を務めている東京音楽大学の広上淳一氏らから指揮者の指導を受けている西島。「広上先生が僕の役に大きなヒントや影響を与えてくださっている」と感謝し、「人柄、ご本人の持っているエネルギー、音楽に対する愛情がものすごく大きな方で、魂の部分を常に教えられるし、それを表現してくださいと言われ続けています」と語る。

そして、「最初は先生を完全に真似するところから始まって、結局は全く違うものになっていくのですが、基本の振りをすごく丁寧に教えてくださって、先生がなぜこういう動きをしているのか解説していただいて、それを消化していくというのを積み重ねて本番に向かっています」と説明し、「広上先生には指揮を習っているんですけど、それ以上の、表現するということ、そして誰かと共鳴するというのはどういうことか教わっているような気がしています」と多くの学びがあるようだ。

演奏シーンに感動「人として素晴らしい体験をしたなと」

劇中ではもちろん、西島が指揮台に立って指揮をする姿が見られるが、演奏シーンの撮影はとても感動するという。

「すごくプレッシャーは感じますが、不思議な感動があって、オーケストラの皆さんも本当に笑顔で、人として素晴らしい体験をしたなと感じることが起きています。まだまだ曲がいっぱいあるので、今はとにかく必死に曲に向かっています」

数々の作曲家を生み出し、オーケストラの本場でもあるウィーンでも撮影を実施。天気にも恵まれ、素敵なシーンを撮ることができたと振り返る。

「ウィーンに実際に行けて、そのシーズンは天気が悪いと言われていたのですが、撮影する数日間だけものすごく快晴でした。本当に気持ちのいい日が続いて美しい風景がたくさん撮れて、日本に帰ってきて富士山が見える場所でよくロケをするのですが、富士山もよく撮れて、ウィーンの風景や空気と日本が確かにつながっている空気感があって、それは幸運なんでしょうけど、作品のボトムの雰囲気が作られているのかなと思っています」