藤井聡太王将に菅井竜也八段が挑戦する第73期ALSOK杯王将戦七番勝負(毎日新聞、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催)は1月7日(日)・8日(月祝)に栃木県大田原市の「ホテル花月」で開幕。対局の結果、相穴熊のねじり合いを120手で制した藤井王将が防衛に向け好スタートを切りました。
今年最初のタイトル戦
前夜祭では穏やかな笑顔の藤井王将に対して菅井八段の鬼気迫る表情が好対照。大田原市長による振り駒が行われた本局は先手・菅井八段の三間飛車穴熊に後手・藤井王将が居飛車穴熊で対抗する相穴熊に進みます。仕掛けをめぐる間合いの計り合いが続き1日目が終了。
菅井八段の記した封じ手が開かれると盤上は本格的な戦いへ。「振り飛車には角交換」の要領で角交換を求めた後手の藤井王将はその後も歩の手筋でポイントを稼ぎます。8筋にと金を作ったのは先手の攻めを急かす狙いで、盤上は終盤入り口の勝負所を迎えています。
勝負手通さず藤井王将が先勝
形勢容易ならずと見た先手の菅井八段は勝負手を披露。飛車取りを手抜いてと金作りを目指したのはこの戦型をよく知る菅井八段らしい手作りですが、藤井王将は飛車得の実利が大きいのを見抜いていました。盤面全体を支配する角打ちで応じたのが攻防の決め手です。
終局時刻は18時30分、最後は形勢の開きを認めた菅井八段が投了。快勝で新年初対局を制した藤井王将が八冠堅持に向け好スタートを切りました。藤井王将の先手番で行われる第2局は1月20日(土)・21日(日)に佐賀県三養基郡の「大幸園」で予定されています。
水留 啓(将棋情報局)