フリーランス歴1年未満のWebライター、増田です。
私、もともとは、会社員としてニュースサイトの編集者をしていた40代男性なのですが、昨年に体調を崩して退社→そのままフリーライターになったという、聞く人が聞くと心配になる人生を送っている身なのであります。
「なんだか勢いでフリーになっちゃったけど、妻1人、小5の娘1人抱える身なんだし、もうちょっとお金のことについてちゃんと考えておかないと…」と悩んでいたところ、マイナビニュースの編集部から「FPさんにインタビューする仕事があるから人生相談してみたら」と話をいただいたんですよ。これは渡りに船!(←古い)ということで、「フリーランスが知っておきたいお金の話」を聞いてみることにしました。
ーー悩めるフリーランスである私に、何かアドバイスをいただきたいのですが…。
まず1つは、増田さんのようなフリーランスであれば「仕事ができなくなり収入が大きくダウンしてしまう可能性」を想定する必要があると思います。僕の話になりますが、30代のころに一過性の脳梗塞を患って一回ダウンしてるんですけど、大きな病気は高齢者が罹るものであり若いうちは罹患しないという考え方は危険です。
ーーそれは一番耳が痛いリスクですね。
所得には、大きく分けて「労働所得」と「不労所得」という考え方があります。若くして労働ができなくなってしまったときに、親からお金を融通してもらうだとか、購入した不動産に担保余力があれば銀行からお金を借りるだとか、まあ、そういう「不労所得」を得られる場合もありますが、それってあくまで一過性の収入ですよね。そうではなくて、長期で不労所得を得られる仕組みを、若いうちから作っていくことが、脇を締めた人生のためには必要だと思います。
ーーぐぬぬ、そうなんですよね…ついつい目の前のお仕事を頑張ることに注力しちゃうのですが、もう少し長い目が必要ですよね。
■労働ばかり頑張るのは「損」
他にも、労働所得だけに注力するのがあまり良くない理由がありますよ。例えば年収(額面)400万円の人は、税金と社会保険料の合計約74万円を収めることになるので、手取りが326万円ほどになります。そこで一生懸命がんばって、年収を800万円にしたとしましょうか。そうなると、手取りは倍に…はならず、616万円になってしまう。つまり、年収が倍になっても、手取りは188%しか増加しないんです。それに対して、支払う税金と社会保険料の合計は248%増えていることになります。
ーーえっ、それは恥ずかしながら考えたことがなかったです…。
売上が倍になっても利益が倍になるわけではないのです。これは日本が「累進課税」という、所得金額に応じて税金が決まるシステム採用しているからです。
ーー不労所得を得るにはいろいろな準備も必要そうですし、稼げば稼ぐほど税金でお金を取られちゃうとなると…ううう、どうすれば…。むずいよ…人生むずいよ…。
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■「所得のコスト」を考えよう
まあまあ、落ち着いて。まずは、「所得のコスト」を減らすという考え方をしていきましょうか。増田さんは「所得のコスト」を考えたことありますか?
ーー「所得のコスト」ですか、あれですね、ちょうど考えようとしていたところですが…ていうか何ですかそれ?
お金を得ようとしたときにかかるのが「所得を得るためのコスト=所得のコスト」です。この中で特に僕がフォーカスしてるのは、先ほども出てきた「税金」。例えばサラリーマンのお給料は、「額面」と「手取り」という2通りの表現をしますね。額面と手取りの間には、何がありますか? そう、「税金」と「社会保険料」です。
ーー確かにそう言われてみると、あれってお給料を得るための「コスト」と考えることもできますね。
働いて給与所得もらうのにしても、実は毎月コストを支払ってるわけです。でも、これサラリーマンやってると、意識してないことが多いと思います。でも増田さんはフリーランスになられて、住民税やら国民健康保険やらを、コンビニとかで自分で払いますよね?
ーーそうなんです! 毎回納付書を見るたびに「こんなに払ってるのかあ」と感じて悲しくなります。
フリーランスって所得のコストを実感するタイミングが多いですからね。そこで増田さんに、個人事業主ならではの「会社を作る」という選択肢をおすすめしたいと思います。
■法人化したほうが得なことがワンサカある…の?
ーーぎゃー! 起業ですか。なんだか詳しくないので恐ろしすぎるんですが。
まず、分かりやすいメリットが「退職金」です。退職金は受けとるときに所得のコスト、つまり税金がかかるんですが、実は退職金ってかなり税を優遇されているんです。勤続年数が1年~20年の場合は年40万円、それ以上働くと年70万円まで、受け取る金額から控除してくれます。
例えば、20年働いた会社を、1千万円の退職金をもらって退職したとすると、800万円(40万円×20年)は控除してくれる。さらに残りの金額のうちの半分(200万円の半分である100万円)にしか課税されない仕組みになっています。国って、一生懸命長く働いてきた人には優しいんですね。
つまり増田さんは、会社を作って、毎月、生活できるだけの金額を会社から受け取りつつ、税制上優遇されている退職金をあとで受け取れるようにしておくのが、支払う税金を下げるという目線からすると有利ということになります。
ーーなんだか難しそうですが、そんな技があるんですね…。
先ほども話したように、個人事業主は累進課税です。これは有名な話ですが、個人事業主の所得税は55%が最高なのですが、それを法人にするとガクッと減って、最高で税率34%になります。これが「法人化は節税になる」と言われる所以なのですが、さらに言うと、法人は、所得800万円までは15%でいいんです。
ーーえっ、だいぶ安い!
34%という税率が独り歩きしていてよく聞きますけど、これは稼いでる会社のことなのです。法人化すれば経費として認められる部分がワンサカ増えますから、売上から経費で使うものを経費計上していって、所得が800万円を下回れば15%しか税金がかからないということになります。
ーー世間的には「1千万円ぐらいになったら法人にしたほうがいい」なんて話も聞きますよね。
それについては、私いつも言うんですけどね、「誰が決めたの?」。課税所得額は会社によってぜんぜん違ってきますから、そんな基準は実は意味がないんです。日本は法治国家なので、法に則ってちゃんとしていれば恩恵はたくさん受けられる。これを勉強しないで、税金取られることに文句ばかり言うのはね、ちゃんちゃらおかしいと思いますよ。
ーードキドキ…てことはフリーランスって、個人で生きていくより法人を作ったほうがお得に生きていけるということになりますか。
もちろん法人を設立することには一定のコストがかかります。しかし、長期的に見れば節税などにおいて多くの利点があります。老後のお金を貯めるにしても、個人だったら「税金を引かれたあとのお金」をコツコツ貯めなきゃいけないわけですからね。
ちなみに法人で退職金のために貯めているお金を、金融商品を買って運用することもできますから、「投資」、すなわち「不労所得」を得ることにもつながります。法人は、銀行から融資を受ける際に生命保険への加入をお願いされる(※死亡した場合に保険金を担保に借入金を返済させるため)ので、金融商品は、今だったら運用型の生命保険なんかもおオススメです。生命保険の掛け金は、経費として計上できます。
ーーいろいろな知識を持っていると、それだけ損しない生き方ができる時代ですね。
今は「人生100年時代」といわれています。昔は60歳になったら“上がり”だったわけですけども、今は60歳で裕福に生活できるだけの年金を即もらえるというわけでもありません。これは一言で言えば、「国はたっぷりの年金を払うお金がないですよ。だからできるだけ70歳ぐらいまでは働いてほしい」。まあ、70歳を超えてもまだ貰わなければ、後々もっとたくさんあげますよ、という割増の“人参”をぶら下げてたりするわけですが…。国にはもうお金がないのだから、頼りすぎないほうがいい、ということを知るのがまずは大事だと思います。
■お話を聞いて
フリーランスにとって納得できる話がいろいろ聞けて、まさに“目からウロコ”でした。増田もいつまでも甘えてないで、あれこれ学習して将来のための資金を貯めていきたいです。
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