――ご自身にとってのヒーロー的存在は?

高橋:自分ですね。

佐々木:思いもしなかった回答が来たな(笑)

高橋:僕、自分がめっちゃ大好きなんです。日々ポジティブに思おうと、何事も肯定しようという生き方で、マイナスになったときは「自分すごいやん」「これできているからかっこいいやん」っていつもプラス思考に変えているので、そういう意味では自分がヒーローかなと思います。

――佐々木さんは?

佐々木:自分っすかね(笑)

高橋:マジっすか(笑)

佐々木:聞いていたら自分かなと。こまめにへこむけど、それでも「頑張った」って自分を上げていかないとね。自分がヒーローでないと。『マイホームヒーロー』のタイトルロールですから、僕はヒーローです!

高橋:まさかのかぶっちゃいました!(笑)

――現場において、お互いここがヒーローっぽいなと思ったところを教えてください。

高橋:カメラが回っていないときでも、スタッフさんやキャストさんに話しかけて、笑かしてからスタートするみたいな、そういうのがすごいなってめっちゃ勉強になりましたし、撮影が始まると役に入ってオーラを放たれていて圧倒されました。僕は蔵之介さんの声が大好きで、最初のほうはその声を聞いて見とれていました。

佐々木:撮影の合間に体でリズムをとっているんですよ。ダンスの稽古をしているわけではなく、集中していくときに自然と体でリズムをとっているんです。そうすることで思考を整理したり自分を調整しているのかなと、彼の本質のようなものを見ました。僕にはないもので、とても良いなと思いました。

高橋:まさか見られているとは思ってなかったです(笑)

■佐々木蔵之介、娘役・齋藤飛鳥とのシーンは「本当よかったな~」

――鳥栖家の一人娘・鳥栖零花役の齋藤飛鳥さん、哲雄の妻・鳥栖歌仙役の木村多江さんとのシーンについても、感想をお聞かせください。

佐々木:妻の歌仙さんは娘の彼氏を殺した後も常に寄り添ってサポートしてくれるんですけど、撮影期間中、毎日ボロボロの僕に、多江さんがいつも「体調大丈夫?」と心配してくれたのはとてもありがたかったです。娘は、僕がこんなこと(殺人)をしたのを知らないので、娘といるときだけは割と穏やかなんです。だから、飛鳥ちゃんのところは気の休まるシーンで、隣にいる半グレ(高橋)とはピリピリしかなかったので、飛鳥ちゃんのシーンは本当によかったな~。

高橋:「本当よかったな~」ってなんですか(笑)

佐々木:本当に飛鳥ちゃんのシーンだけはよかった。あとはずっとキツかったので(笑)

――高橋さんは鳥栖家の家族の在り方にどんな印象を受けましたか?

高橋:歌仙さんが家族愛がしっかりしていてお互い助け合って生きていこうというのがすごくわかりますし、娘の零花も2人のことが大好きで、お父さんに対してツンデレなところもかわいいなと思います。そういうのを見てほのぼのといい家庭だなと思ったので、巻き込まれずそのまま3人で笑顔で過ごしてほしかったです。

――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします。

高橋:僕個人としても演じてみたかったジャンルをやらせていただいて、この子こういう役もできるんだとか、今までの僕からするとギャップがすごくあると思いますが、そのギャップがいいんじゃないかなと。本当に素晴らしい作品で、演じていて“勉強”と“楽しい”の応酬で、僕なりには精一杯頑張ったので見ていただければうれしいです。

佐々木:タイトルは『マイホームヒーロー』ですが、彼は犯罪者です。何が正義なのか、何が悪なのか、非常にグレーで僕自身揺れ動きますが、家族のために立ち止まることなく突き進む彼がいつしかヒーローに見えてくる。視聴者の皆様には、1秒先、どうなるかわからないというこの家族の行く末を一緒に見続けて応援してくださればとうれしいです。

■佐々木蔵之介
1968年2月4日生まれ、京都府出身。1990年に劇団惑星ピスタチオの旗揚げ公演に出演以降、1998年の退団まで同劇団の看板俳優として活躍。その後、テレビ・映画・舞台など数多くの作品に出演。近年の主な出演作は、『峠 最後のサムライ』(22)、映画『嘘八百 なにわ夢の陣』(23)、『シャイロックの子供たち』(23)、ドラマ『ミヤコが京都にやって来た!』(21)、『IP~サイバー捜査班』(21)、『和田家の男たち』(21)、『クロサギ』(22)など。 映画『ゴジラ-1.0』が11月3日公開予定。2024年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』で藤原宣孝役を務める。
■高橋恭平
2000年2月28日生まれ、大阪府出身。2021年11月12日、なにわ男子としてシングル「初心LOVE」でCDデビュー。2022年、『NHK紅白歌合戦』に初出場。11月15日に6枚目のシングル「I Wish」をリリースする。俳優としてはドラマ『年下彼氏』(20)、『メンズ校』(20)、映画『メタモルフォーゼの縁側』(22)などに出演。映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(23)で映画初主演を務めた。

(C)山川直輝・朝基まさし/講談社/ドラマ「マイホームヒーロー」製作委員会・MBS
佐々木蔵之介=ヘアメイク:晋一朗(IKEDAYA TOKYO) スタイリスト:勝見宜人 (Koa Hole inc.) シャツ、ジャケット、パンツ:コラム(エストネーション)