茨城県は10月1日から12月31日までの期間、国内最大規模の観光キャンペーン「茨城デスティネーションキャンペーン(茨城DC)」を実施している。

『体験王国いばらき』をキャッチコピーに、「アウトドア・食・新たな旅のスタイル」をテーマとした、“想像超え”の特別企画やイベントを多数取り揃え、“新しい茨城の魅力”を発信する本キャンペーン。

今月1日に開催されたオープニングセレモニーには、体験王国いばらきの女王であるデヴィ・スカルノと、いばらき大使の黒沢かずこが駆けつけ、本キャンペーンの開幕を盛り上げた。

■地域×JR×行政による新コンテンツを多数提案

今回のオープニングセレモニーは、特別運行した上野発の団体臨時列車「体験王国いばらき号」で来県した乗客約300名を盛大にお出迎えした後、JR水戸駅南口ペデストリアンデッキに設けられた特設ステージで開催された。

いばらき観光キャンペーン推進協議会会長を務める茨城県知事の大井川和彦氏は、茨城県で撮影されたJR東日本「大人の休日倶楽部」のCMを踏まえ、「皆さん、吉永小百合さんの出演するコマーシャル見ましたでしょうか? 吉永小百合さんが来ると(茨城が)ものすごく綺麗に見えます」と、主催者を代表して挨拶。250を超える特別企画を用意したという本キャンペーンへの注力ぶりをアピールした。

特別企画には、筑波山や牛久大仏などを上空から眺望するヘリツアーや、特撮などでおなじみのロケ地にてコスプレ&爆破体験をし、戦隊ヒーロー気分を味えるツアー。夜の竜神湖内をボートで探検して灯篭による幻想的な空間を楽しめる竜神ナイトアドベンチャーなどなどを用意しているという。

「とにかく盛りだくさんの内容で、さまざまなおもしろい企画で茨城の魅力を引き出すキャンペーンになっています。このDCをきっかけに日本全国はもとより、世界へ茨城県の魅力を売り出していきたいと思っています」

茨城DCは地域(県・市町村・観光事業者等)とJRグループ6社が一体となり、国内最大規模で展開される観光キャンペーン。JR東日本の喜㔟陽一副社長は、本キャンペーンへの意気込みを次のように述べた。

「この5月に新型コロナが大きな節目を迎え、インバウンドのお客様もコロナ前に達する勢いで伸びています。私どもJRグループもこのDCを通じて「体験王国いばらき」にふさわしい旅行商品を多数ご提案いたしました。世界に向けて茨城の魅力を発信していきたいと考えています」

JR特別企画としては、茨城各地のご当地グルメを堪能できる「いばらきまんぷくトレイン」や、酒蔵が豊富な茨城県内の地酒を満喫できる「日本酒列車」といったイベント列車を運行すると紹介した。

「茨城の食については首都圏の駅ナカなどでも、さまざまな産直フェアを最大規模で展開してご紹介いたします。また、アウトドアというテーマでは茨城県にサイクリングへ多くのお客様に訪れていただけるよう、自転車を畳まずにそのままご乗車いただける定期列車も、我々の初めての試みとして運行します」

■「とにかくどん尻から這い上がりましょう」

「1000日に1度、2日間にわたって開催されるひたちなか市の三社祭に招かれて先日行って参りました。山車や神輿、羽織袴の姿の人たちや巫女さんたちの行列などもあって、素晴らしい体験をさせていただきました」と、特別ゲストとして招かれた体験王国いばらき女王のデヴィ夫人。

「三社祭で感じたあの熱気。茨城の人たちがあんなに情熱的に頑張っている姿を見て、胸を打たれました」と振り返った後、「茨城は恵まれすぎていると思うぐらい、日本一のものがたくさんあります。それで、なぜ、茨城がいつも(魅力度ランキングで)“どん尻”にいるのか? 茨城の方たちは日本一のものがたくさんあることに安心しきっちゃっているのかなって。茨城の方たち、ちょっと緊張感が足りないでは?」と、お馴染みの調子で問いかけて会場の笑いを誘いつつ、激励のメッセージを送った。

「観光地としても食文化、それからが美しい神社も茨城にはいっぱいあるのにあまり知られていません。もっともっと宣伝する必要があるかなと思います。とにかくどん尻から這い上がりましょう。そのためにはがむしゃらに行動ですよ。それと緊張感を持ってやらないと(笑)」

その後、セレモニーでは茨城DCの盛況を祈念した鏡開きが執り行われた。一般の来場者にも数量限定で振る舞い酒が準備され、未成年やドライバーなどには仕込み水で乾杯していた。

さらに茨城DCの開幕を祝して、最後は茨城県水戸市を拠点とするプロバスケットボールチーム「茨城ロボッツ」のダンスチーム「RDT」が、ダンスパフォーマンスを披露。黒沢さんもこのステージパフォーマンに乱入し、すしざんまいっぽいポーズでセレモニーを締め括っていた。

■女将カード付きマイクポップコーンも発売

JR水戸駅南口ペデストリアンデッキに設けられた特設ステージやブースではこの日、DC開幕に合わせ企画開発した「初登場・初売り」のグルメや商品の販売などが実施された。ステージでのオープニングセレモニー後は、大井川知事とJR東日本水戸支社長の小川一郎氏、そしてデヴィ夫人と黒沢さんの4人が特設ブースを巡り、それぞれのブースの特徴などが紹介された。

一行が最初に訪れたのは、茨城県ひたちなか市発祥のご当地フード「スタミナラーメン」のブース。茨城県が開発した最高級のブランド豚肉「常陸の輝き」、ひたちなか市の横須賀養鶏農場が販売するブランド卵「おれんじ卵」、小美玉市のニラを使った、DC特別仕様の「“追いスタミナ”ラーメン」に舌鼓を打った。

実家がひたちなか市で飲食店を営んでいた黒沢さんは、「追いスタミナラーメン」を今回提供した中華大進について、「大進さんは駅の近くにあって、普段はいつも行列になっていますから。行列に並ばないと食べられないものを、今日こういう機会で食べられるのはいいですね」と紹介。人気店の味に太鼓判を押していた。

続いて4人が訪ねた「いばらき女将の会」のブースでは、同会が展開する「女将カード」についての説明があった。

「女将カード」は、昨年のプレDCの際などに配布したところ大きな反響を呼び、全種類を集めたコレクターも現れるほどの人気に。今年はさらにバージョンアップし、「マイクポップコーン」とのコラボ商品として発売することになったという。全28種類の女将カードがあり、レアカードには女将が集合したキラカードを用意しているそうだ。

また「茨城ガチャコーナー」では、ガチャガチャ自体が初体験というデヴィ夫人が、茨城県酒造組合とコラボした地酒アクリルスタンドコレクションで、ガチャデビューを飾る場面もあった。

最後は観光PRブースへ。JR東日本では今回の茨城DCを記念し、茨城の食材を使ったさまざまな特別弁当を用意。都内でも販売を行うという。

茨城DCは12月31日までの開催。体験王国いばらきの魅力をこの機会に体感してみてはいかがだろうか。