2022年~2023年にかけて立て続けに話題の連続ドラマにレギュラー出演しているなど活躍が続く俳優の宮世琉弥。そんな宮世が、世界中で人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を劇場アニメーション化した映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(公開中)で、タートルズのリーダー・レオナルド役の日本語吹替え声優を務めた。初となる声の芝居は一つの表現方法として「すごく刺激的だった」と語ると、自身の目標と掲げているクリエイティブな活動についても「確実に前に進んでいます」と力強く語った。

  • 宮世琉弥

    宮世琉弥

■慣れ親しんでいた「ミュータント・タートルズ」の世界で声優初挑戦

宮世が演じる「タートルズ」のリーダー・レオナルドはリーダーでありながら、ちょっと頼りないところもある愛すべきキャラクター。台本を読んだとき「“一応”しっかりとしていて、リーダーシップをとろうとするのですが、ちょっと空回りしてしまう部分もある。でも他のラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロと比べても正義感が強い」と感じたという。

もともと「タートルズ」は好きだったという宮世。「僕の親が『ミュータント・タートルズ』を知っていて、人形が家にあったんです。僕も実写作品を観に行ってなじみがありました。今回はアニメーションでしたが、絵のタッチが独特で、とても新しいものを作っているな」と知的好奇心がくすぐられたという。

自身初となる声の仕事。しかも、昔から慣れ親しんでいた作品ということで、気合十分で臨んだが難しさもあった。

「普段のお芝居では、すでにそこにある表情に合わせてセリフを言うということはないじゃないですか。でもアニメーションなので一つ一つの行動や表情に合わせてセリフを言うのが難しかったです。でも演じているうちに、レオナルドが笑う時は笑って、怒るときは怒った表情になっている自分に気づいて、しっかりキャラクターと対話しているような意識で演じました」

一方で、アニメーションならではの面白さも発見できた。宮世は「やっぱり実写ではできないことができるというのは大きな魅力です。今回もタートルズになれたわけですから。子供っぽいかもしれませんが、アニメーションのキャラクターが、自分の声で動いているのを見ると、すごいなって思っちゃいました。ロマンがありますよね。飛ぶことだってできるんです!」と笑う。

■先輩俳優たちをリスペクト 『パリピ孔明』で共演の向井理は「完璧」

本作では、ミュータントたちと人間の関係性もシニカルに描かれる部分もある。立場が変われば見え方も変わる。宮世自身、業界に入る前と後では、世の中の見え方は変わってきているのだろうか。

「僕はこの活動を始めたときから同世代よりも圧倒的に大人の方と話す機会が多かったので、どうしても早く大人にならなければ……という意識はありました。その経験は、いまとなってはとても良かったなという実感はあります」

特に感じたのが、いわゆる“すごい人”がたくさんいるということ。宮世は「とんでもない方ばかり」と苦笑いを浮かべると「俳優の先輩方はみんなモンスターのようにすごい」と舌を巻く。特に9月27日から放送がスタートするフジテレビ系連続ドラマ『パリピ孔明』で主演を務める向井理は、直近で「すごい」と思った先輩だという。

「孔明はセリフ量もすごいのですが、完璧で一切NGを出さないんです。現場でもすごく全体が見えているし、それでいてお子さんともお会いしたのですが、すごく素敵なお父さんでもある。本当に学ぶところが多いです」

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■映画監督への道は「しっかり踏み出しています」

偉大なる先輩たちに囲まれて日々を過ごしている宮世。来年1月には20歳を迎える。「新しいものには触れつつも、いままで培ってきたものは大切にして一つ一つ丁寧に全力で取り組んでいきたい」と意気込むと「新たにクリエイティブなことも自分なりに進めていきたい」と抱負を述べる。

以前のインタビューで、「東日本大震災を経験しているので、震災を題材にした映画を作りたい」と話していた宮世。その野望に向かって進んでいるのかを問うと「しっかり踏み出しています」と力強い回答が。

「現場には衣装部さんや照明部さん、録音部さんなど、プロフェッショナルな方がたくさんいらっしゃいます。撮影の合間のお昼ご飯などを食べるときも、積極的にコミュニケーションをとらせていただいて、いろいろなことを学んでいます」

ただですら多忙ななか、脚本の勉強などもしている。「24時間じゃ足りないですね」と笑うが、挑戦し続けることが、一番大切なことだという。「もちろん失敗したら落ち込みますが、それは挑戦しているからと前向きに捉えて進みます。そうすればきっと成長できると思うので」

そんな宮世の思いは、本作にもリンクしているという。「タートルズたちは、不可能かも……と思っても、みんな夢に向かって走っている。『やってみなければ分からない』ということを教えてくれる作品。老若男女みんなが共感できる作品だと思うので、多くの人に観てほしいです」と見どころをアピールしていた。

■宮世琉弥
2004年1月22日生まれ、宮城県出身。2019年にドラマ『パーフェクトワールド』で役者デビュー。2020年、ドラマ『恋する母たち』で注目を集める。近年の主な出演作は、ドラマ『村井の恋』(22)、『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』(22)、『君の花になる』(22)など。9月27日スタートのドラマ『パリピ孔明』への出演が決定している。

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