キリンビバレッジは10月3日、“免疫ケア”と“睡眠の質向上”をサポートする機能性表示食品「キリンおいしい免疫ケア睡眠」を発売する。
それに先立って、9月1日、メディア関係者向けの発表会を開催。量・質ともに課題のある日本人の睡眠の現状を明らかにするとともに、睡眠課題に対応した新商品の特徴を紹介した。
OECDによる国際調査で、日本人の睡眠時間は7時間22分で、33カ国中最も短いことがわかっている。また、厚生労働省の調査により、睡眠時間が6時間未満の日本人は、2007年から10年間で10.8%も増加したことが判明。7時間以上の睡眠を確保している人は、33.8%から26.6%まで、7.2%も減少している。
日本人の睡眠課題は、睡眠の「量」だけにとどまらない。睡眠の「質」の調査では、「日中、眠気を感じた」人は30%超で、特に女性に多く見られる。次いで、「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」「睡眠全体の質に満足できなかった」との課題を抱える人も多く、日本人は睡眠の質・量ともに課題を抱えている人が多い。
さらに、コロナ禍前後で「生活習慣が変化した」と回答した人は63.0%。うち5人に1人が「十分な睡眠がとれなくなった」と回答しており、日本人の睡眠課題は深刻化していると言える。
キリングループは今年、“お客様の毎日に、おいしい健康を。”をお客様との約束事として制定。「飲料だからこそできる身体と心の健康の実現」に注力してきた。
同社の健康飲料の代名詞である「プラズマ乳酸菌」入り飲料の販売数量は、前年比139%と好調に推移している(2022年1~7月と2023年1~7月の比較)。中でも、「キリンおいしい免疫ケア」本体が成長をけん引。その背景に、6月にカロリーオフ商品や自動販売機限定商品を発売し、新たな“免疫ケア”ユーザーを獲得したことがあるという。
そして、10月3日に満を持して発売されるのが、深刻化する日本人の睡眠課題に対応する「キリンおいしい免疫ケア睡眠」だ。キリンの独自素材である「プラズマ乳酸菌」に加えてGABAも配合した同商品は、“免疫ケア”と“睡眠の質向上”の両方をサポートする、日本で唯一の機能性表示食品(飲料)となっている。
機能性はもちろん、夕食後やお風呂上がりなど、夜のリラックスシーンにも合う、飲みやすい優しい甘さにもこだわったほか、“睡眠の質向上”がわかりやすく伝わるよう、パッケージも工夫した。開発期間は約1年。「習慣的に飲んでもらえるよう、機能性とおいしさの両立に腐心した」という。
■「睡眠」「食事」「運動」「免疫ケア」を健康習慣の4本柱に
「キリンおいしい免疫ケア睡眠」は、睡眠サポートドリンクとしては後発にあたるが、勝算はあるのだろうか。同社は、「キリンおいしい免疫ケア睡眠」開発の背景として、次の3つを挙げる。
【1】ストレス緩和・睡眠サポート市場の伸長
ストレス緩和・睡眠サポート市場は、2021年以降大きく成長している。中でもドリンクが種類別構成比の9割以上を占め、市場をけん引。
【2】小型の飲むヨーグルト・乳酸菌市場の伸長
「自分の健康は自分で守る」という自衛意識の高まりを背景に、小型の飲むヨーグルト・乳酸菌市場は継続して伸長。とりわけ、急成長中の小型の睡眠ドリンクの急拡大が市場活性化に寄与している。
【3】「睡眠」と「免疫」の親和性
キリンビバレッジ調査で、約85%が「睡眠不足」が免疫低下の要因と回答するなど、「睡眠」と「免疫」には親和性がある。また、睡眠ドリンクユーザーは、睡眠効果だけではない、複合的な健康価値を持つ商品を求めていることもわかっている。
キリンビバレッジ マーケティング部 ブランド担当 松岡祥子氏は、「多くの人が免疫ケアの必要性を認識していながら、実践している人はごく一部です。まずは顕在化している睡眠の課題を解決するとともに、健康の土台である免疫ケアを生活に取り入れる習慣を広げていきたいです」と新商品への思いを語った。
免疫は健康の土台であり、免疫維持には「睡眠」「食事」「運動」のバランスが欠かせない。同社は今後、これら3つに加えて“免疫ケア”を健康習慣の第4の柱にすることを目指し、“免疫ケア”のさらなる浸透に向けて、商品ラインアップの拡大や啓発活動に注力していくという。
ここ数年で「睡眠の質向上」「睡眠改善」をうたうドリンクが続々と発売され、中には長期間品薄状態が続くヒット商品も出ている。「キリンおいしい免疫ケア睡眠」は、睡眠サポートドリンクとしては後発だが、“免疫ケア”と“睡眠の質向上”の両方にアプローチするというポジショニングがどう受け入れられるか、発売後の反響が楽しみだ。