「アソモビ2023 in Makuhari」(会場:幕張メッセ、会期:8月5日~6日)で古き良きアメリカの香りただようクルマを発見した。ベースとなっている車両はどうやら……トヨタ自動車のはたらくクルマ「タウンエース」では? どんなクルマなのか、お店の人に聞いてみた。

  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車

    「タウンエース」の新しい楽しみ方? アメリカンバン風のカスタム車「フィルモア」

タウンエースの新たな可能性を発見!

タウンエースのカスタム車を展示していたのは、ハイエース専門店のNACSグループから誕生したカジュアルブランドのサンタローズだ。展示車両は「フィルモア」と「フィルバート」の2台。

  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車

    アメリカンクラシックをモチーフにした「フィルバート」

コンセプトは見た目の通り、1970年代から80年代にかけてのクラシックUSAバン。トヨタの商用車「タウンエース」をベースとしているところが大きな特徴だ。

  • トヨタ「タウンエース」

    ベース車両の「タウンエース」は、ダイハツ工業がインドネシアで生産してトヨタにOEM供給している商用車。現行型の価格は181.9万円~234.7万円

こうしたカスタムカーの定番といえば、やはり同じトヨタの「ハイエース」だと思うのだが、タウンエースをベースにするというのは少し意外なチョイスだ。なぜ選んだのか。担当者によれば、「ハイエースはもう出尽くした感がありますが、タウンエースはまだちょっとニッチな車両です。大きく見えますが長さが4,600mmしかないので、シティユースでも使いやすいサイズ感ですし、アウトドアにも使える荷室性能を兼ね備えています」(以下、カッコ内は担当者)とのことだ。

印象的なのが、タウンエースのフロントマスクをレトロなアメ車の顔つきに変える外装パーツだ。どういった経緯で開発したのだろうか。

「タウンエースのもともとの顔は、少しノペッとしていますよね? そこをちょっと変えられないかなと思いました。ただ、パーツが全然なかったんです。僕たちが手がけ始めた2年半くらい前は、シートカバーを装着したクルマはあっても、ドアトリムやパネルにまで手を入れられたカスタム車すら少なかった。それで、外装パーツを自社開発しました」

  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車
  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車
  • 自社開発の外装パーツでレトロなフロントマスクに一新

  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車
  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車
  • 外装パーツは丸目ライトと角ライトの2パターンが存在する

さすがはトヨタ製というべきか、タウンエースがベースなだけあって同社のカスタム車はメンテと維持のしやすさも売りだという。

「やっぱり旧車はかっこいいですが、購入後はメンテナンスの不安がどうしても付きまといます。タウンエースがベースなので、うちのクルマであればメンテナンスをあまり気にすることなく、おしゃれなクルマに乗ることができます」

販売形式にはいくつかのパターンがある。例えばタウンエースの新車と外装パーツの組み合わせだと、販売価格は214万円から。一方、タウンエースの新車と内装架装の組み合わせの場合は309万円からで、別途49.5万円で外装パーツを取り付けることが可能だ。

「新車とカスタムをある程度までセットにすることで、コストを抑えて安く販売することができています。内装架装セットの場合は内容が決まってしまっていますが、個別にオーダーしていただければ必要なアイテムだけ取り付けることができて、その分、価格も抑えることができます」

  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車

    外装とのセットの場合も、シートカバーやドアトリムの張り替えなどをオーダーすることは可能

  • トヨタ「タウンエース」のアメ車風カスタム車

    フローリングから床張りした内装架装のセット

「アソモビ2023 in Makuhari」の会場では若い両親と小さな子供の家族連れが「フィルモア」と「フィルバート」を熱心に眺める様子が確認できたが、聞けばこのクルマ、ビジネスユースでのニーズもあるという。

「一般のお客様からお問い合わせをいただくことが多いですが、ビジネスカーとして関心をお寄せいただくこともあります。タウンエースが欲しいけど、自分のお店のカラーに合わせたいとか、アメ車風のおしゃれなクルマが欲しいというお客様……例えば、お花屋さんとかですね」

2023年から関東圏のイベントにも積極的に出展しているという同社。今後、もしどこかで見る機会があれば、タウンエースの新たな可能性をチェックしてみて欲しい。