日産自動車が「スカイライン NISMO」を発表した。1,000台限定で発売は2023年9月上旬の予定。100台限定の「スカイライン NISMO Limited」は抽選販売で、納車開始は2024年夏ごろを見込む。日産の内田誠社長が「GTの集大成」と評する新型車はいったい、どんなクルマなのか。

  • 日産「スカイラインNISMO」

    日産が2023年8月8日に発表した「スカイライン NISMO」

最大トルク550Nm!

現行型「スカイライン」は2014年にフルモデルチェンジした13世代目だ。発売からこれまでに何度も改良を繰り返し、ハンズオフが可能な運転支援技術「プロパイロット2.0」を採用したり、スカイライン史上最強の405馬力を誇る新グレード「400R」を追加したりと進化を続けてきた。

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    現行型「スカイライン」は「GT」「GT Type P」「GT Type SP」「400R」の4グレード展開。価格は456.94~589.93万円

現行型スカイラインに追加となった新モデルがNISMOとNISMO Limitedだ。発表会にビデオメッセージで登場した日産の内田誠社長は、これらの新モデルを「GTの集大成」と評した。

  • 日産「スカイラインNISMO」
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  • スカイラインは2代目の「S5系」から「グランドツーリングカー」を意味する「GT」の名称を名乗り始めた。写真は会場に飾られていた2代目スカイライン「2000GT」(S54B)。「スカイラインNISMO」がデザインをオマージュしたクルマだ

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  • 「GT赤バッジ」も復刻! 左が2代目「スカイライン」、右が「スカイラインNISMO」

新型スカイラインNISMOの開発コンセプトは「ザ・スカイラインGT」。歴代モデルが受け継いできた「GTカーの資質」に「NISMOならではのレーシングテクノロジーをいかした空力とシャシー技術を融合」させることで、「より速く、気持ちよく、安心して走れる究極のGTカーを目指して開発」したというのが日産の説明だ。

エンジンは「GT500レース用エンジン」に携わった開発者が同じ設備を使ってチューニングを施した特別バージョン。最高出力は298kW(405PS)から309kW(420PS)に、最大トルクは475Nmから550Nmにそれぞれ引き上げた。「スカイライン NISMO Limited」は特別な資格を持つ「匠」が手組みで作り上げる高精度なエンジンを搭載するとのこと。

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    専用チューニングのエンジン。最大トルク550Nmは国産車では珍しい数値だ

  • 日産「スカイラインNISMO」
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  • 「スカイライン」は後輪駆動のクルマ。エンジンからの力強いトルクをしっかりと路面に伝えるため、今回の「NISMO」ではリアタイヤの幅を20mm拡大している

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  • 赤く塗られた部分は空気の流れを整えたり、クルマを上から押さえつける力(ダウンフォース、クルマのグリップ力を高める)を発生させたりする機能を担っているとのこと

  • 日産「スカイラインNISMO」
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  • インテリアは全体を黒基調で統一。コックピット周りにはレッドセンターマーク付きのNISMO専用本革巻ステアリング、280km/hスケールのスピードメーター、NISMOロゴを配したレッドリングタコメーターを採用している。センターコンソールにはシリアルナンバーを刻印したNISMOメタルエンブレムが

星野一義さんの感想は?

クルマの開発では「シミュレーター」を使うのが当たり前になっているが、スカイラインNISMOについては北海道の「陸別試験場」に持ち込み、テストドライバーに何度も走ってもらい、対話を重ねながらクルマを鍛えるという「古風な」(NISMO開発者)やり方で作り込んだという。

発表会には元レーシングドライバーでホシノインパル社長の星野一義さんが登場。一足早くサーキットで試したスカイラインNISMOについて「大人の乗り心地」だったと感想を語った。とにかくバランスのいい仕上がりだったそうで、「高速でも環八(環状八号線)でも、箱根ターンパイクでも」走れるオールマイティなクルマだと高評価だった。

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    日産は「スカイラインNISMO」のシリアルナンバー1番を星野さんに贈呈。ということは、残りの999台を入手できた人は星野さんと同じクルマに乗れるということになる

スカイラインNISMOの価格は788.04万円。RECAROのシートとカーボン製フィニッシャーを装着したバージョンは847万円となる。ボディカラーは専用色「NISMOステルスグレー」を含む全5色。「スカイラインNISMO Limited」は947.98万円、ボディカラーは3色展開だ。全部で1,100台のスカイラインNISMOだが、売り切れても追加生産の予定はないようなので、欲しい人は急いで販売店に問い合わせた方がいいかもしれない。