日産自動車が「スカイライン NISMO」を発表した。1,000台限定で発売は2023年9月上旬の予定。100台限定の「スカイライン NISMO Limited」は抽選販売で、納車開始は2024年夏ごろを見込む。日産の内田誠社長が「GTの集大成」と評する新型車はいったい、どんなクルマなのか。
最大トルク550Nm!
現行型「スカイライン」は2014年にフルモデルチェンジした13世代目だ。発売からこれまでに何度も改良を繰り返し、ハンズオフが可能な運転支援技術「プロパイロット2.0」を採用したり、スカイライン史上最強の405馬力を誇る新グレード「400R」を追加したりと進化を続けてきた。
現行型スカイラインに追加となった新モデルがNISMOとNISMO Limitedだ。発表会にビデオメッセージで登場した日産の内田誠社長は、これらの新モデルを「GTの集大成」と評した。
新型スカイラインNISMOの開発コンセプトは「ザ・スカイラインGT」。歴代モデルが受け継いできた「GTカーの資質」に「NISMOならではのレーシングテクノロジーをいかした空力とシャシー技術を融合」させることで、「より速く、気持ちよく、安心して走れる究極のGTカーを目指して開発」したというのが日産の説明だ。
エンジンは「GT500レース用エンジン」に携わった開発者が同じ設備を使ってチューニングを施した特別バージョン。最高出力は298kW(405PS)から309kW(420PS)に、最大トルクは475Nmから550Nmにそれぞれ引き上げた。「スカイライン NISMO Limited」は特別な資格を持つ「匠」が手組みで作り上げる高精度なエンジンを搭載するとのこと。
星野一義さんの感想は?
クルマの開発では「シミュレーター」を使うのが当たり前になっているが、スカイラインNISMOについては北海道の「陸別試験場」に持ち込み、テストドライバーに何度も走ってもらい、対話を重ねながらクルマを鍛えるという「古風な」(NISMO開発者)やり方で作り込んだという。
発表会には元レーシングドライバーでホシノインパル社長の星野一義さんが登場。一足早くサーキットで試したスカイラインNISMOについて「大人の乗り心地」だったと感想を語った。とにかくバランスのいい仕上がりだったそうで、「高速でも環八(環状八号線)でも、箱根ターンパイクでも」走れるオールマイティなクルマだと高評価だった。
スカイラインNISMOの価格は788.04万円。RECAROのシートとカーボン製フィニッシャーを装着したバージョンは847万円となる。ボディカラーは専用色「NISMOステルスグレー」を含む全5色。「スカイラインNISMO Limited」は947.98万円、ボディカラーは3色展開だ。全部で1,100台のスカイラインNISMOだが、売り切れても追加生産の予定はないようなので、欲しい人は急いで販売店に問い合わせた方がいいかもしれない。