再生栽培=リボベジとは何か

再生栽培とは、野菜の一部を使って野菜をもう一度育てる栽培方法で、リボーンベジタブルを略してリボベジとも呼ばれています。
例えば、最も有名なリボベジは豆苗ではないでしょうか。豆苗は一度収穫しても水につけておけば再び芽が生えてきて、10日ほどたつともう一度収穫できますよね。豆苗なら育てたことがあるという人も多いかもしれません。実は豆苗と同じように再生させて栽培できる野菜が他にもあるんです。

ニンジンのヘタから伸びた葉

リボベジできる野菜・作物

いろいろな野菜を土に植えている様子

リボベジができる野菜にはどんな種類があると思いますか? 例えば、このような野菜がリボベジできます。
1. 豆苗
2. ニンジンやダイコンの葉
3. ネギ類(小ネギ、白ネギ、九条ネギ)
4. 根がついたレタス類
5. パイナップル
6. イモ類(サツマイモ、ジャガイモ)
7. トマト類(大玉トマト、ミニトマト)
8. ピーマン類(ピーマン、パプリカ、シシトウ、唐辛子)
9. ナス
10. スイカやメロン

リボベジできない/難しい野菜・作物

リボベジで育てるのが難しい野菜もあります。例えば、かいわれ大根などのスプラウト系の野菜は、一度収穫してしまうと芽が残らないので難しいです。ニラ、パセリ、シソ、エゴマなどの葉だけの野菜は、根や芽がないので再生しにくいです。アボカド、リンゴ、ミカンなどの果樹類は種を植えれば芽が生えてきますが、果実を収穫できるまで3年以上かかります。

リボベジのメリット

種や苗から野菜を育てる一般的な野菜の育て方と比べると、リボベジにはいろいろなメリットがあります。例えば、リボベジでは野菜の種や苗を買う必要がないので、お金がかかりません。野菜はスーパーで何度も食材として買うので、もし栽培に失敗しても何度も挑戦できます。土を使わずに育てることもできるので、キッチンやリビングなどの室内でも育てられます。もちろん土を使ってベランダや庭で育てることもできます。
また、ヘタなどの、野菜の中で生ごみとして捨てている部分を再利用できるので、ごみの削減に貢献できます。さらにリボベジは簡単で子供と一緒に始めやすいので、食育や子供と一緒に楽しむ趣味にもなりますよ。

リボベジに向いている時期と向いていない時期

グラスで小ネギを育てている様子

野菜を育てるときには、野菜ごとに適した時期に育てることが大切です。例えば、トマトのような夏野菜は気温が高い春から秋に栽培して、白菜のような冬野菜は気温が低い秋から春に栽培します。リボベジにも向いている時期と向いていない時期があるので以下で説明していきます。

リボベジに向いている時期/季節

リボベジを始めるのに向いている時期は、春と秋。関東などの温暖地にお住まいの方でしたら、3月~5月と9月~11月に育てるのがおすすめです。理由は、この時期は気温が高くもなく低くもなく、野菜を育てるのにちょうどよい気温だからです。

リボベジに向かない時期/季節

リボベジを始めるのに夏と冬は向いていません。春や秋は室内でもベランダや庭でも育てやすいのに対して、夏と冬は気温が高すぎる、または低すぎるために野菜を育てるのが難しい時期です。ただし、キッチンやリビングなどの室内でエアコンを使っている場合には、室温を調整できるので育てられます。夏や冬に室内でリボベジをする場合は、エアコンがある部屋で育ててください。

リボベジに必要なもの

水や土でリボベジを育てている様子

リボベジをするときに必要なものは何でしょうか? 育て方によって必要なものが変わるので、育て方ごとに以下で紹介していきます。

水だけでリボベジをするときに必要なもの

野菜の一部を水につけて育てるときには、まずは容器が必要です。容器はコップや小皿を用意しましょう。食器として使っているものがあればそれを使えますし、プラスチック製の使い捨てのものでも使えます。水は水道水をそのまま使って構いません。

土でリボベジをするときに必要なもの

野菜を土で育てるときには、まずはプランターが必要です。プランターの代わりにペットボトルや土が1リットル以上入るプラスチック容器を使っても構いません。土は市販の野菜栽培用の培養土を使ってください。肥料も用意しましょう。市販の培養土には肥料が含まれているので、肥料は野菜を育て始めてから3カ月ほどたってから使います。

リボベジのコツ

野菜の茎から根が生えている様子

次にリボベジのコツをご紹介します。リボベジを始めたとき、育てているとき、収穫するときの三つに分けて説明します。

リボベジを始めたときのコツ

リボベジを始めたときは、茎から根が出たり、種から芽が出たりするのを待ちます。この最初の段階は繊細で枯れやすいので、毎日観察をするようにしましょう。それぞれの野菜に合った季節に育てることが大切です。例えば、ミニトマトなどの夏野菜は春に種を植えて夏に収穫してください。
野菜の一部を水につけておくときは、水の交換をするたびに容器も食器用洗剤で洗ってください。洗わないと雑菌が繁殖して腐りやすくなるからです。

リボベジで野菜を大きく育てるコツ

リボベジで野菜を大きく育てるコツは、まずは日当たりの良い場所に置くことです。ただし夏は直射日光が当たると暑くなりすぎるので、カーテン越しの光を当てましょう。野菜を大きくしたい場合は、水ではなく土で育ててください。
プランターなどの容器は大きいほど、野菜が大きくなりやすいです。野菜を土で育て始めると途中で肥料が足りなくなるので、肥料を追加してください。水はこまめに与えた方が大きくなりやすいので、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えてください。

リボベジ収穫のコツ

リボベジ収穫のコツは、スーパーで売っているサイズよりも小さめで収穫すること。スーパーで売られている野菜は日当たり抜群の畑やビニールハウスで栽培されていますが、リボベジは室内やベランダで栽培します。そのため、スーパーの野菜と同じサイズまで大きくするのは難しいからです。
また、収穫するときは必要な量だけ少しずつ収穫するようにしましょう。その方が鮮度が良いですし、野菜への負担も減ります。

リボベジに挑戦してみよう

リボベジ中のアボカドを手に持つ宮崎

今回はリボベジの基本知識をご紹介しました。リボベジは手軽に始められるので、家庭菜園初心者の人はぜひ挑戦してみてください。野菜を育てたことがない人に特におすすめです。