山梨県は、夏山シーズンの最盛期を前に「安全な富士登山」に向けてのお願いと注意点、および混雑日に関する情報を発信している。

登山者増加でリスクも

  • 弾丸登山は止めましょう

    弾丸登山は止めましょう

今年の富士山登山者数は、7月30日時点で6万3,778人とコロナ以前の令和元年と比べて約17%増加。今夏は新型コロナウィルスの規制緩和に加えて、富士山の世界文化遺産登録から10周年の節目にあたることから、国内外から多くの登山者が訪れると見込まれている。

登山者が多くなると、落石やけがのリスクも高まるうえ、自分のペースで歩いたり、山小屋での十分な休憩が難しくなるケースも。また、救助要請の件数が増加することも予想され、救助機関の対応が普段より時間を要する可能性が。山梨県では、事故や遭難のリスクを避け、安全で快適な登山をするために次のようなお願いと注意喚起を行っている。


安全な登山にするために

弾丸登山は止めましょう

五合目を夜間に出発し、山小屋に泊まらず夜通しで一気に富士山頂を目指す0泊2日の登山形態である「弾丸登山」は、体調不良や怪我のリスクが高まり、非常に危険です。山小屋を利用し、余裕を持った登山の計画をお願いいたします。また、疲労により行動不能となり自力下山できなくなる「疲労遭難」の危険性もあります。

装備を整えて登りましょう

山頂は、麓や五合目との気温差が非常に大きく、また風雨も強いため、防寒着やレインウエア、食料や水、ヘッドランプ、ヘルメットなどを必ず携行をお願いします。Tシャツ・短パン、サンダルといった軽装での登山は大変危険ですので、絶対におやめください。


山の日の8月11日~14日にかけて混雑のピーク

また、富士山では、混雑が予想される日や時間帯を案内する混雑予想カレンダーを公表しているが、毎年お盆の時期に登山者が集中し、登山道混雑のピークを迎えることに。特に山の日の8月11日~14日にかけて混雑のピークが訪れるという。山梨県は、安全で快適な登山をするためにも、混雑日や混雑時間帯を避けたゆとりのある登山計画を立てるよう協力を求めている。

  • [混雑日・混雑時期について]

    [混雑日・混雑時期について]

なお、混雑に起因する大きな事故の発生を回避するため、警察と連携して、登山者が集中する時期や時間帯に登山規制を行うことも検討しているとのこと。深夜に山頂直下の登山道が過度に混雑した場合などに一時的に登山道の通行を規制し、山頂付近の登山者が下山を開始し混雑が解消した時点で規制を解除することで、山頂付近への登山者の過度の集中を抑制し、事故を未然に防いでいくという。