主演作を含めドラマや映画で重要な役どころを任され、さらにピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ』で3年連続MCを務めるなど、活躍の幅を広げている広瀬。「大きなお仕事をいただけるようになったなというのは目に見えてわかっていて、うれしい気持ちはもちろんですが、挑戦してダメだったら次やらなければいいぐらいの気持ちで挑むようにしています」と語る。

新しいことにも愛情や興味を持ちやすい性格ということもあり、初めての仕事も楽しくできているという。

「最初は不安な役でも、台本を読んでいるうちに作品に愛情を持てたり、そういう気持ちが湧きやすいタイプなんです。バラエティも、私は収録に行くというより、芸人さんの面白い話を聞きに行こうみたいな、観覧の皆さんと同じような気持ちで参加しています(笑)」

生放送の『R-1グランプリ』のMCでは、芸人たちのネタに大笑いしていた姿が印象的だが、「あんなに緊張することってなかなかないというぐらい緊張しますが、年に1回ぐらい目バキバキになりながら仕事するのも楽しいかなと思っています」と語る。

そして、バラエティでの経験が女優業に生きることはあるか尋ねると、「メンタルが強くなりました」と笑顔で回答。今後も女優業が軸ではありつつ、さまざまな仕事に挑戦していきたいと考えている。

「楽しいことをやっていけたらいいなと。やるからには広く深く。MCやバラエティなど、女優業から1、2歩外れたところでも、深く頑張ってやっていきたいです」

役者人生の転機になったと感じている経験を尋ねると、「朝ドラは大きかったです」と女芸人・リリコを演じたNHK連続テレビ小説『わろてんか』を挙げた。

同作でコメディエンヌとしての才能が開花し、その魅力が広く世に知れ渡ることになったが、「女芸人の役で、関西弁で漫才をやらせていただいて、あれからコメディ色がつきました。いまだに『朝ドラ素晴らしかった』と言っていただくことがあって、初めて自分の中で挑戦というか我慢をして挑んだのですが、やってよかったなと。我慢というのは、たくさん飲みたいし食べたいところを、我慢してジムに行くようにしていて。地方に行くと太って帰ってくるとよく言われていたので、それを払拭しようと頑張っていました(笑)」と振り返る。

今後について尋ねると、「あまりこうなりたいと思ってしまうと、理想とのギャップにストレスを抱えてしまうので、楽しいことをやっていたいなと、それぐらいです」と回答。以前は目標を掲げていたが、20代前半の頃に理想を追い求めないようになったという。

「諦めることも大事だなと。思うようにいかないことがたくさんあって、現実そんなイージーじゃないと知り、目標はおまけぐらいで考えておいたほうが楽だなと思ってからは、一つ一つのお仕事を楽しもうという意識になりました」