東京都交通局は、上野動物園で運行(2019年11月から運行休止中)していた東京都懸垂電車上野懸垂線(上野動物園モノレール)について、鉄道事業法第28条の2(事業の廃止)に則り、国土交通大臣宛に鉄道事業廃止届を提出したと発表した。

  • 上野動物園モノレールは2019年11月から運行休止していた(画像 : 写真AC)

上野動物園モノレールは1957(昭和32)年に開業。日本で最初に開業したモノレールであり、上野動物園の東園~西園間(0.3km)を所要時間約1分半で結んだ。動物園の遊技施設ではなく、鉄道事業法にもとづく交通機関として、東京都交通局の運営により営業運転を行い、2001(平成13)年から4代目の車両40形が活躍していたが、経年劣化を理由に2019年11月から運行を休止していた。

車両更新も検討されたが、国内唯一の特殊な車両で製造に時間を要することに加え、電気設備等の大規模な更新が必要になることも課題となっていた。2022年11月、東京都建設局は「恩賜上野動物園新たな乗り物の整備に関する基本方針」を策定。上野動物園モノレールの代替となる新たな乗り物(小型モノレール等のコンパクトな乗り物を想定)を整備するとともに、現存の上野動物園モノレール施設は原則として都が撤去するとしていた。

東京都交通局は7月21日、上野動物園モノレールの鉄道事業廃止届を提出。1年後の2024年7月21日を廃止予定日としたが、「届出後、関東運輸局長が届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行ったとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めた場合は、廃止の日を繰り上げることがあります」と説明している。廃止予定日を繰り上げる際は改めて発表する。