音楽活動も俳優業も行っている山下。ドラマや映画の撮影期間中は俳優業に専念しているが、楽曲制作やレコーディングなど音楽活動を再開すると一気にスイッチが入るそうで、同時に進めていくことは難しいという。

「撮影などがあるとそのことしか考えられなくなり、器用にできないです。理想は、23年は音楽だけ、24年は演技だけのほうが気持ち的には楽ですが、なかなかそうはいかないので。年齢を重ねてより同時進行は難しくなりました。一個一個掘り下げて、深さを出していかないといけないので、両方やるというのは不可能に近いです」

二刀流だからこそ、出演作の楽曲を自分が担当することもあるが、「ありがたい名誉なことだなと思います」と喜びを語る。そして、俳優業と歌手活動の並行は難しくてもやはりどちらも欠かせない大切なものだという。

「ずっと昔から音楽にも演技にも関わらせてもらっていて、その2つがあってバランスが取れているような気がするので、楽しみながらやらせていただいています。相乗効果もあると思います。音楽をやっていることで意識が広がっていて、役を作ることにもいい影響を与えていると思うので、両方やれていることはすごくプラスだと感じています」

今後も二刀流で? と確認すると、「二刀流を極めていきたいです」とにっこり。そのバランスについては「流れに身を任せている」と言い、「自分が楽しいな、わくわくするなと思うことをその瞬間にやりたいという気持ちが強いので」と話した。

今回のアルバムリリースは、コンサートのタイミングにあわせて決めた。「コンサートをいつできるかとずっと狙っていて、それがこのタイミングになったので、その前にアルバムをリリースしたいなと。アルバムを聴いてもらってみんなで盛り上がりたいと思いこのタイミングになりました」

ライブは8月11日・12日に愛知、8月15日・16日兵庫、9月2日・3日に神奈川で開催する。

「皆さんにとって長い期間、思い出に残るようなコンサートにしたいと思っています。楽しいとか切ないとか、感情の波を作れるような、いろんな場面が作れるようなものにしたいなと。その幅が広い方が面白いと思うので、高低差をつけてやっていきたいと思います」

そして、5年前との自分との違いもにじみ出てくると予想する。

「どういうところに新しさが出せるのか色々考えていますが、5年前の僕とは違うので、それをいい表現に変えられたらいいなと。楽しんでもらいたいという気持ちのもとで、いろんなものを一緒に発散して、心をクリアにできるようなコンサートにしたいです」

コロナ禍でオンラインライブも開催したが、有観客のライブは5年ぶり。「声をからしてほしいです。日常で声をからすことはなかなかないと思うので、みんなの情熱をぶつけてくれたらうれしいなと。みんなで一緒に盛り上げていけたらいいなと思っています」と心待ちにしている。

■山下智久
1985年4月9日生まれ、千葉県出身。High Hope Entertainment所属。1996年より芸能活動開始。俳優として数々のドラマや映画の主演を務めるほか、音楽活動も精力的に行っている。主な代表作にドラマ『野ブタ。をプロデュース』(05)、『クロサギ』(06)、『コードブルー ‐ドクターヘリ緊急救命』シリーズ、映画『あしたのジョー』(11)、『近キョリ恋愛』(14)など。『THE HEAD』(20)で海外ドラマ初出演を果たし、ハリウッド映画『マン・フロム・トロント』(22)に出演、今年9月に配信される『神の雫/Drops of God』で海外ドラマ初主演を務める。昨年はドラマ『正直不動産』も話題を呼び、2023年度冬に『正直不動産スペシャル』も放送予定。現在、主演映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』がPrime Videoにて配信中、ディレクターズカット版が劇場公開中。歌手としては、5年ぶりとなるニューアルバム『Sweet Vision』を7月19日にリリース。8月11日より3都市6公演のアリーナツアーを開催する。