習慣その1 GTPを設定して、決めたタスク以外はやらない

本稿では、「いかに業務を効率よく行い、質が高い仕事を行い、生産性を高めていくか」についてお伝えしたいと思います。

日々の業務では、必然的にタスクが生じます。

そもそもタスクとは、課された仕事や課題であり、コンピュータ用語では「処理される作業の最小単位のジョブ」を指しますが、ITリテラシーの高いZ世代にとって、日々の仕事で最も重要視しなくてはいけないタスクを積み重ねていくことで、大きな成果につながることは言うまでもありません。

ところが、忙しい人こそタスクに埋もれてしまいがちです。そこで、時間を効率よく使うために、覚えておきたいのが「GTP(ゴール、タスク、プランニング)」というキーワード。

この3つの法則をいますぐ実践すれば、タイムパフォーマンスの高い仕事へとスイッチすることでしょう。

結論から申します! 決めた目的や目標に直結したタスク以外は、もう、やらないでください。それでは、タスクを効率に消化していくために、最初にやるべきこと。それは、「ゴールを設定すること」です。

なぜなら、ゴールを決めないと、日々の業務で、余計なことが次々と増えてしまうから。極端な話、「目的や目標以外はやらない!」と心に刻んでいただきたい。

つまり、タスク自体のプライオリティをしっかりとつけるのです。すると必然的にタスクそのものが減ります。

そうすると、やらなくていいタスクが減ったことで、本来の重要なタスクに集中できるようになります。その結果、ぐっと業務の生産性が高まってくるのです。

習慣その2 タスクの即アポ、タスクの濃密度アップ タスク0に

例えば、「売上をこれだけあげたい」という目標があるとしましょう。

これを細分化していくと「売上に対する注文を何件受けないといけない」すると「DMを何通送らなくてはいけない」あるいは「SNSに投稿しないといけない」などなど、次々とタスクが出てくるわけです。

しかしながら、一旦、整理してゴールに直結したタスクだけをピックアップしてみましょう。そのピックアップしたタスクを逆算して「いつ? どうやるか?」を決めていきます。

つまり、最初にゴールを決めているからこそ、ゴールに直結したタスクのみをスケジュールに組み込んでいく。この一連の流れがGTPのなかのプランニングとしての考え方です。

日々やるべきことは、一見、多く存在するように思えますが、実はやらなくても困らないことは、たくさんあるのです。

やらなくて困ることは、無責任な考え方ではなくて、誰かがやってくれるという事実を認識してください。

その結果、あなた自身の無駄な仕事量を増やさないことになり、仕事の効率化が格段に上がるわけです。これを「タスクのアポ化」といいます。プランニングのスキルのひとつですが、極めて重要です。

例えば、朝6時から夜12時までの時間軸があるとしましょう。「何時から何時まではミーティング」「何時から何時まではzoom」などのタスクをタイムテーブルに記入していきます。その隙間で皆さんは、仕事をされていらっしゃると思いますが、実は、それが問題なのです!

タスクが入った瞬間に、やるべきこと。それは、その「タスクを即アポ(スケジュール)に入れちゃうこと」です。こうすれば、未消化のタスクは0になります。

つまり、タスクがアポになる。そもそも、タスクとアポの違いとは、時間的制限があるかないかです。タスクは時間的制限がないから、その作業に何時間も無駄な時間を費やしてしまう。

例えば、何かの承認をする仕事があり、大量の書類を確認しなくてはいけない。ところが、承認するタスクを今日の1時から1時間半の作業としてアポに落としてしまえば、タスク自体を「いつかやらないといけないのは、もうなくなる」わけです。

長く時間を要するタスクなら、「毎週火曜日の14時から15時に○○の仕事をやる」と、レギュラーとしてのアポに組み込んでしまうことで、それ以外の仕事を考えなくても、その時間になったらアポが自動的に組み込まれているために必ずやるので、結果として未消化タスクが0になるというシステムに。

このように、タスクのアポ化を自ら構築していきましょう。

習慣その3 ボールの即リリースで、タスク0に

ここでいう「ボール」とは、細々とした仕事の依頼を指します。やらなくてはいけないことを握っているということは、タスクを抱えているということです。

例えば会議中、「○○の件、ちょっと資料にまとめておいてもらっていいですか?」と言われた瞬間、あなたは、ボールを受け取ったことになります。

そこでするべきこと。それは、「受け取ったボールを自分で持った状態にせず、すぐに手放すこと」です。それをしないと、どんどんボール(タスク)が溜まってしまうからです。

即座にリリース行為に入ってください。手放すと書くと一見無責任なように見えますが、受けたボールに対して、適切なポジションの人と共有することが大切なのです。

自分1人でボール(タスク)を止めてしまわないことが重要なのです。

私自身の経験をお話ししますと、毎日LINEやFacebookやインスタのメッセンジャーなどが大量に届きます。ちょっとしたチャットワークが届いた時には、即レスを習慣化するようにしました。

すると、無用なタスクが解消されます。返信履歴で未読に戻せないものは、今この瞬間にボールを即レスしないと、タスクが溜まりまくってしまうわけです。

そこで大切なのは、例えば「いつが空いていますか?」といった日時の約束。即レスしてしまえば、そこで日時のアポ=タスクは完了します。つまり、ボールを即リリースする習慣化が、無用なタスク解消へと導くのです。

このように、日々積み重なるタスクを3つのワークフローによって自動習慣化することで、有限な時間の管理と生産性が上がります。それにより、今後の仕事への効率アップが図れ、将来的には人生そのものを変えてしまうといっても過言でないと思います。

著者プロフィール:清水康一朗

2003年ポータルサイト「セミナーズ」を立ち上げ、教育の流通に貢献。日本最大のビジネスセミナー登録数実績を誇り、世界トップ講師による国内最大規模のセミナーも主催。「絆徳経営」など数多くの理論を展開。経済・歴史・道徳教育に情熱を注ぐ。