フジテレビのバラエティ特番『藝大よ、地球を救え。』が、3日(14:30~ ※関東ローカル)に放送される。
この番組は、東京藝術大学客員教授であるさだまさしと、同大教授である箭内道彦が発起人となって企画。企業と才能あふれる東京藝大生をマッチングさせて「アートの力で世の中を変えていこう!」という特別授業を展開し、長田庄平(チョコレートプラネット)と向井慧(パンサー)がMC、ゲストに高畑淳子と本田望結を迎える。
番組では1つの企業から依頼されたテーマを、2~3人の藝大生が自分の作品イメージをプレゼンし、競い合う。企業側は、最も気に入った藝大生を1人だけ選び、実際に作品を作ってもらうという流れになっている。企業が求めるものを、藝大生たちはいかにしてアート作品として昇華させていくのか。そして企業は誰の作品を選ぶのか。
1つ目の企業は静岡県下田にある「観音温泉」。旅館から「敷地内に世代を超えて愛され続けるアート作品を作ってほしい」という依頼が届く。旅館のおかみは作品を作る条件として、「旅館でアルバイトをすること」を提示。その意図とは、実際に学生に旅館で働いてもらい、お客様と触れ合うことで、アート作品へのインスピレーションを得てほしいという要望だった。おかみからの依頼に応える藝大生は、佐々木さん、中野さん、高さんの3人。厳しいおかみからの指導を受けた藝大生たちは戸惑うも次第におかみの信念に賛同し、期待に応えようと作品作りに精を出す。
2つ目の企業は保育園。全国で300超の保育施設を運営する「ポピンズエデュケア」では、子どもたちに「多様性」など未来に繋がる考え方を学んでほしいとのことで、今回は「多様性への理解が自然と身につくようなアート作品を作ってほしい」と依頼。この難しいテーマに手を挙げたのは、神出さん、石田さんの2人。神出さんが得意としているのは「ムダの豊かさを楽しむ」、石田さんが得意とするのは「子どもの感性を伸ばす」とそれぞれ異なる特性で作品に挑む。
3つ目の企業はクリーニング店。茨城県を中心に10以上の店舗を持つ「タニカワクリーニング」からは「クリーニング店を美術館のような空間にしてほしい!」という異例の依頼が寄せられる。クリーニング店と美術館…一見かけ離れた存在のように思えるこの2つに挑む藝大生は、柴田さん、馮瀟(ヒョウショウ)さん、南さんの3人。彼らは独創的な発想と感性で作り上げた“美術館のような空間”を提案する。
最後はさだまさしからの持ち込み依頼で「企業の社歌」を作ってほしいというもの。さだは創業76年のみそかつ専門店「矢場とん」と交流があり、以前から「社歌を作ってください」とのお願いを受けていたという。そこで今回は「歌詞は自分で書くので、それに曲をあててほしい」と藝大生に依頼。作曲する藝大生は、永野さん、鹿田さん、横澤さんの3人。彼らは実際に「矢場とん」のみそかつを食べて曲作りに励む。“社員たちが一つになれる社歌”というテーマに、藝大生たちはどんな楽曲を作るのか。選ばれた曲はスタジオで、さだまさしと社員が合唱する。
コメントは、以下の通り。
■さだまさし
「藝大と社会をつなぐっていう1つの目的をもって企画させていただいたんですけど、こんなに具体的になってくると、アートっていうのは我々の日常生活の中にこんなに溶け込めるんだなということ、ほんのちょっとしたヒントでこんなに楽しくなるんだなというさまざまな勉強をしました。楽しかったです。“矢場とん”の社歌は僕の最新曲になりました」
■箭内道彦
「アートは人を幸せにしなきゃいけないし、人を幸せにするものはアートだし、“矢場とん”でとんかつ揚げている人もアートだとそういう風に思います。アートっていうものに勝手に人々が抱いていた距離とか敷居とかが取り払われて、アートが本当にみんなものになったらいいなと、そのきっかけになる番組に公開授業、実技課題になったんじゃないかと思いますね」
■長田庄平(チョコレートプラネット)
「(嵯峨美術短期大学で)1回美術を学んだことをある身としては、やっぱり東京藝大っていうのは憧れの学校だったので、そこと仕事ができてすごい感動でしたね。やっぱり藝大ってすごいなと思いました!もう一回藝大目指そうかな…」
■向井慧(パンサー)
「我々お笑いという仕事もいざという時に必要なのかな?って思ったりもするんですけど、今日の収録で“一見無駄に思えるもの”が何かを豊かにしたり、色んなことにつながって、色んなものが生まれるんだなって感じて、この番組を通じて自分の仕事に少し誇りを持てるようになりました。素敵な番組に参加できてうれしかったです」
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