東急不動産は5月30日、同社と東京地下鉄が共同出資する神六再開発と共に推進している「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」において、2024年春に開業予定の商業施設名称を「東急プラザ原宿『ハラカド』」に決定したことを発表した。

  • 「ハラカド」の屋上イメージ (神宮前交差点を挟む「ハラカド」と「オモカド」)

『ハラカド』開業と同時に、同じく神宮前交差点にて営業中の「東急プラザ表参道原宿」を「東急プラザ表参道『オモカド』」に改称し(2024年度以降予定)、交差点を挟む2館で連携する。

  • 「ハラカド」および「オモカド」施設ロゴ

1960年代の原宿・神宮前交差点では、当時を代表する様々なトップクリエイターたちが「原宿セントラルアパート」に集い、自由に自分を表現し、お互いに共感し、共創し、創造することでこの場所にしかない唯一無二の消費体験と新しい文化を生み出してきた。「ハラカド」では、かつての原宿セントラルアパートの文化を継承し、さらに発展させていく。

  • 外観イメージ(昼景)

「ハラカド」では、入居テナントにより構成・運営されるクリエイティブコミュニティ「ハラカド町内会」を設立する。

町内会メンバーが自らイベントやコンテンツを企画し発信しながら新しい価値を「共有」することで、その価値観に「共感」する新たな仲間を集め、その仲間たちと一時的な流行ではなく文化をつくる「共創」が生まれることをめざす。このような過程をプロセスエコノミーとして可視化することで、「ハラカド」の関係人口を増やし、ファンコミュニティの形成と拡大を図る。

町内会のメンバーには、アートディレクターで映画監督の千原徹也氏(れもんらいふ代表)、一つ星レストラン「sio」オーナーシェフの鳥羽周作氏(sio/シズる 代表取締役)、高円寺の老舗銭湯・小杉湯の平松佑介氏をはじめ、クリエイティブ・ディレクター大木秀晃氏が立ち上げたOOAA、クリエイティブエージェンシーの博報堂ケトルなど、「ハラカド」から新しい文化を発信しようと集う個人や多様な企業が参画する予定。

  • 「ハラカド町内会」メンバー(一部)

施設内は、各クリエイターが個性を生かしフロアプロデュースする。地下1階は、昭和8年から90年続く高円寺の老舗銭湯・小杉湯が、銭湯「小杉湯原宿(仮称)」を開業予定(その他公衆浴場認可申請中)。

2階の神宮前交差点を見下ろす共有スペースでは、さまざまな文化を発信してきた雑誌を新旧交えて集めたフリースペース「COVER」を日販がプロデュースする。期間ごとに、特定のテーマについてフィーチャーした雑誌を展示する。

3階は、アートディレクターの千原氏が中心となり、クリエイター自身が「新しい」をテーマにした商品を、来館者に直接届けるクリエイターズマーケットフロア。クリエイティブ・ディレクター大木氏がプロデュースするカフェでは、さまざまなクリエイターのアウトプットと交流を生み出していく。

5~6階は、エクスペリエンスDが運営を担う5階と6階の飲食フロア。フードコートには約20店舗が集積し、「sio」オーナーシェフの鳥羽氏がプロデュースする新時代のファミリーレストラン「FAMiRES」も出店する。