日本能率協会総合研究所は5月18日、「高齢者未充足ニーズ調査2023年」の結果を発表した。調査は1月16日~31日、同研究所が保有する60~90歳の高齢者モニター2,500名を対象に、郵送調査にて行われた。

  • 運転をやめた理由

    運転をやめた理由

自動車の運転状況を確認したところ、男性75.8%、女性41.0%が「運転する」と回答。2019年実施の前回調査と比較すると、男女ともに「運転したことがない」の割合が減少し、「運転する」割合がやや増加。全体的な運転人口が増加傾向にあるよう。

また、「以前は運転していたがやめた」(男性18.0%、女性19.2%)という人に、運転をやめた理由を教えてもらったところ、「自動車を運転する機会がなくなった・減った」(51.9%)、「運転免許証の更新がきっかけ(高齢者講習含む)」(39.9%)、「家族などに運転をやめるよう言われた」(29.0%)が上位に。

なお、「運転していてヒヤリとしたり、怖いと思うことが増えた」(20.8%)という人は2割程度だったが、80〜84歳男性では4割弱、85〜90歳女性では3割と、高齢になるほど顕著に高くなることがわかった。

  • 不安に感じている今後の自身の変化

    不安に感じている今後の自身の変化

続いて、「判断の能力など認知機能の低下を感じる」という困りごとの発生頻度を尋ねたところ、「たまにある」「よくある」を合わせると、80代後半では8割に達するなど、高齢になるほど「よくある」の割合が高い傾向に。

また、現在不安に感じている今後の自身の変化について聞くと、「記憶力がおとろえること」(61.1%)、「視力がおとろえること」(56.8%)、「理解力や判断力がおとろえること」(49.2%)、「聴力がおとろえること」(47.6%)が上位にあがった。

最後に、「認知機能維持のための脳トレなどの方法」への関心度を調べたところ、81.7%が「知りたい(とても+やや)」と思っていることが明らかに。なお、「既によく知っている」(8.4%)人は1割に満たず、ほとんどの高齢者が認知機能を維持するための脳トレなどの方法を知らないことがわかった。