21日に放送された大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)の第19回「お手付きしてどうする!」で初登場したお万役の松井玲奈にインタビュー。お万としての役作り、徳川家康役の松本潤や瀬名役の有村架純との共演の感想を聞いた。
大河ドラマ初出演の松井が演じるお万は、神秘的で妖艶な美女。戦災を逃れ、瀬名(有村架純)仕えの侍女となり、やがて浜松城で暮らす家康(松本潤)のそばに仕えることに。信玄(阿部寛)との激戦で大きな犠牲を払ったショックから立ち直れずにいた家康の心の隙間に入り込み、家康はつい心を許してしまう。そして、家康の子を身ごもったお万。それを知った瀬名は激怒するも、お万との話し合いの末に心を静めた。
松井は「最初に脚本を読んだときは、一歩間違えると嫌われてしまいそうな役柄だなと思い、どう演じていくべきなんだろうかと悩みました」と吐露。
「あの時代の中で生きていくためにお万が下した選択は、賢くもありながら、そうせざるを得なかった背景があるのだろうと思って。自分の目標にたどり着くためにはどうしたらいいのだろうかと彼女なりにいろんなことを考えながら、やっと巡ってきたチャンスに向かって一生懸命手を伸ばしたのが、今回の作品の中で描かれているお万の人生の一部だと思ったので、そこが見ている方にしっかり伝わるようにしたいと思って演じました」と語った。
お風呂で家康との距離を縮めていったお万。妖艶な魅力を放っていたが、「色っぽさは自分でも意識はしましたし、監督や所作指導の先生からも、どうしたら優雅な色っぽさが出るか指導していただいてきました」と明かす。
そして、妖艶さを出すためにさまざまな工夫を行ったという。
「だいたいお手伝いの方は着物の袂をしっかり紐で縛って動きやすいようにするのですが、あえて垂らしたままにして、二の腕がちらっと見える感じの肌の質感が色っぽいから、それをしっかり見せていこうとディレクションしていただきました。そして、肌感を見せたり動作をしっかり見せたりするために、あえて動きをゆっくりにしました」
松本の佇まいによって自然に引き出されるものもあったようだ。
「基本的に2人でいるのはお風呂の場面だったので、常に2人ともびしょびしょに濡れていて、不思議な空間だなとも思っていましたが、松本さんがお部屋の真ん中にどんと座ってくださっていたので、背中が本当に家康様みたいに見えてきて、触れるときも緊張しました。そこを奮い立たせて触りにいかないといけなかったので、佇まいから助けていただく部分がとても多かったなと思います」
松本の汗を拭くシーンでは「美しいな」と思いながら汗を拭いていたそうで、松本に見とれてセリフが飛んでしまったことも。
「松本さんの前に回って顔についている汗を拭く場面がありましたが、あまりにも松本さんのまつ毛が長くてきれいすぎて、『あ、きれいだな』と思ったらセリフが飛びました(笑)。飛んで変な間ができたけど、大丈夫と思って、そのまま続けました」