三菱重工は5月9日、シンガポールの現地法人、三菱重工アジアパシフィック(MHI-AP)と共同で、シンガポール北東部を走る全自動無人運転車両システム「センカン・プンゴル LRT」向けの2両連結車両8編成を受注したと発表した。

  • センカン・プンゴルLRT

「センカン・プンゴル LRT」は、地下鉄北東線の2駅と住宅街を結ぶ路線長23.3kmの支線。電力駆動で完全自動走行するほか、ゴムタイヤ方式によるなめらかな走行と低騒音が特徴。全自動無人運転車両システム(AGT : Automated Guideway Transit)を採用しており、次世代型路面電車(LRT : Light Rapid Transit)とは異なるが、高速性能にちなんで「LRT」を冠している。近年の地区人口の増加に伴う利用者増に対応すべく、輸送力増強プロジェクトが進められている。

三菱重工グループは、2003年の同LRT開業時に車両とシステム一式を納入。以降、20年にわたってシステムの改造、車両基地の拡張、各種アフターサービスを一貫して手がけてきた。2022年にも車両17編成(34両相当)の供給、既存車両基地の大型拡張に伴う信号・軌道・車両保守機器などシステム一式の更新工事を受注している。今回の新車両も、地区の景観になじむ外観デザインを生かしつつ、運用や保守の効率性を向上した仕様となった。