5日の放送で「高知編」が完結し、8日より「東京編」に突入する神木隆之介主演の連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~※土曜は1週間の振り返りほか)。これまでの朝ドラとは違い、金曜日の予告編がある週とない週があり、SNSで様々な意見が飛び交っていた。変則的な理由について制作統括の松川博敬氏が明かした。

  • 『らんまん』主人公・槙野万太郎役の神木隆之介

高知県出身の植物学者・牧野富太郎をモデルにした本作では、幕末から明治、大正、昭和と激動の時代に、植物を愛し、その研究に情熱を注いでいく主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描く。脚本を担当しているのは、ミュージカルや戯曲などの舞台や、NHKのドラマ『群青領域』(21)や『旅屋おかえり』(22)などで知られる長田育恵氏だ。

『らんまん』の後続番組である『あさイチ』の「朝ドラ受け」も毎回話題となるが、MCを務める博多華丸・大吉でも、予告編を見る派の大吉と見ない派の華丸と意見が分かれていた。華丸はネタバレを嫌うので、予告編は見たくないと強調。とはいえ最近の朝ドラでは、金曜日には予告編が流れていた。だが、『らんまん』ではそのルールは踏襲されていない。

松川氏は「実は1週目を編集する前に、僕が『金曜日の予告編ってあったりなかったりしてもいいですか?』と上司に掛け合ったんです」と直談判したことを明かした。

「金曜日の15分を見て、予告が入った方が面白いと思ったら入れるし、本編だけで面白かったら入れないという方針です。お芝居が本当に良くて、カットできないということもあると思います。1週目は予告編を入れましたが、検証してみたら10秒とか15秒ぐらいでした。土曜日はこれまでと同じく30秒の予告を入れています」と、予告編よりも本編の映像を重視するスタイルをとってきたと説明する。

「高知編」の最後となった5週目の5月5日の金曜日には、次週から始まる「東京編」の予告がしっかり挿入されていた。これが2回目の金曜日の予告編となったが、「あの週の試写を見た時に、やはり東京編の予告が見たいと思ったんです。でも、お芝居を切りたくなかったので、タイトルバックをなくしました」とのこと。

実際にこの回では、オープニングがカットされ、いきなり物語に突入。最後に万太郎と竹雄(志尊淳)が東京へ旅立つシーンにかぶさるように、あいみょんの主題歌「愛の花」とキャストやスタッフがエンドクレジットとして流れ、次週の予告編が流れた。

松川氏は「そういう柔軟な運用をさせてもらっています。そこは『土曜日の視聴につなげたい』というようないやらしい意図はないんです」と述べ、「だから、今後も金曜の予告編は必ずしもないとは限らないです。視聴者においても、予告編を見たい方もそうじゃない方もいらっしゃると思いますが、僕としては本当に物語の面白いところを余すことなく届けたいと思っているだけです」と力強く語った。

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