丸ビルの地下1階「マルチカ」が4月28日より全面リニューアルオープンとなった。新規出店したショップは20店舗。エリア就業者のランチ需要のみならず、新業態のスイーツ、またアルコールの楽しめるバーも出店している。そして新丸ビルの7階「丸の内ハウス」も新たに5店舗がオープンした。本稿ではメディア内覧会の様子をお伝えしよう。
マルチカにはどんな店舗が?
三菱地所、三菱地所プロパティマネジメントでは丸ビルが開業20周年、新丸ビルが開業15周年を迎えた2022年秋より、段階的に両ビルのリニューアル工事を進めてきた。リニューアルコンセプトは「Your Palette ―明日を彩る、わたしを選ぼう。―」。様々な価値観が生まれるこの時代。丸の内エリアで働く1人ひとりが、まるでパレットからお気に入りの色を取り出すように、多彩な町の魅力の中から大切なものを選んで人生をデザインしていけるように、という想いが込められている。
丸ビルのB1階マルチカは「毎日通いたい、わざわざ訪れたい、いつでも食を感じられる丸の内の拠点”FOOD Feelings BASE”」がコンセプト。平日の昼間はランチにぴったりのお弁当を中心に展開、午後からはフリースペースでグルメやスイーツを楽しめる場所となる。
全20店舗のうち、その半分で弁当・惣菜を販売する。三菱地所の担当者は「従来のマルチカは、平日のお昼時こそ混むものの、平日の午後、そして休日は閑散としていました。そこでスイーツ、手みやげ、バーカウンターなど業態の幅を増やしましたので、若い女性のかた、また休日なら家族連れなどにも来ていただけるのでは、と期待しています」と説明する。
「魚河岸 山治(やまはる)」(寿司・海鮮)は新業態。1958年に創業した豊洲の老舗仲卸「山治」による海鮮丼・鮨・和惣菜専門店となる。目利きが選んだ新鮮な魚介を楽しめる。
「雪梅花(シュエメイホァ)」(点心麺飯)は商業施設初出店。蒸した竹の香りに熱々の肉汁が美味の小籠包、また焼売など自慢の点心を用意した。
三菱地所の担当者は「これまで、丸の内にお勤めの皆さんからは『パン屋が少ない』という声をいただいていました。そこで今回、ベーカリーにも入っていただきました」と話す。そんな1店舗、「パンとエスプレッソと 東京&TOKYO」(ベーカリー)は、素材やクオリティに真っすぐにこだわったベーカリー&バール専門店。
「ダイワTOKYO」(フルーツサンド)は商業施設初出店。日本各地の旬の美味しいフルーツとパン、クリーム、すべてにこだわった”八百屋の作る本気のフルーツサンド”を販売する。また平日のランチ需要に向けて、出汁巻きたまごのサンドイッチも用意した。
フリースペースの用途も工夫されている。平日11時~14時は、丸の内エリアの就業者に向けてランチを販売。平日15時~21時および土日は、周辺店舗で購入したものを飲食できる共用スペースとして活用する。
「BUTTER 美瑛放牧酪農場」(バター・乳製品・洋菓子)は初出店。北海道美瑛町で育った牛から搾った新鮮な牛乳でつくったフレッシュなバターを店舗にて販売する。ホットケーキ、シュークリーム、ソフトクリーム、焼き菓子なども提供。店内で食べることもできる。
「慶希処(けいきどころ)AMATERRACE」(和パウンドケーキ)は商業施設初出店。人工甘味料・着色料・保存料不使用をうたう、健康食材のみを使用した黄金芋のパウンドケーキが看板商品。「手みやげ、会社の贈答用などにもご利用いただけたら。慶希快福(けいきかいふく)というパウンドケーキもご用意しています」(ショップ店員)。
「KOMU 丸ビル店」(和菓子)は新業態となる。京都の老舗あんこ菓子専門店「都松庵」が和菓子店として東京初出店。店名は「精巧である」「ぎっしり詰まる」を意味する古語『籠む』にちなんだ。伝統的な和菓子を軸に、グルテンフリーのどら焼きなど、モダンなあんこ菓子を展開する。
「祇園 北川半兵衛 東京丸ビル店」(銘茶・お茶漬け・和洋菓子)は新業態。全国茶品評会で11度も最高賞を受賞している文久元年創業「北川半兵衛商店」による日本茶カフェのギフト専門店が東京初出店となった。贈答向け商品も多数用意している。
「SAKE COLLECTIVE & SPIRITS」(酒屋・バー)は日本初出店。ロンドンのSAKEセレクトショップと、東京の蒸留酒セレクトショップのコラボストアとなる。テイスティングやバーテンダーによるカクテルで、世界中の様々なお酒を楽しめる。「お仕事の帰りに、フラッと立ち寄っていただければ」(ショップ店員)。
このほか「銀座十石」(おむすび・弁当・惣菜)、「いなり寿司 相模屋」(いなり寿司)、「タイ料理 沌」(タイ料理)、「oumami HESTA SOUP STAND マルチカ店」(スープ)、「CRISP SALAD WORKS」(サラダ)、「立町カヌレMARUNOUCHI」(洋菓子)、「OKOSHIYA TOKYO」(和菓子/おこし)が入る。
丸の内ハウスものぞいてきた
新丸ビルの7階「丸の内ハウス」には11店舗が入る(そのうち6店舗は既存店)。
「鮨&BAR不二楼」(鮨 / BAR)は商業施設初出店。鮮度を味わう”博多前鮨”と、技術を深掘りした”江戸前鮨”、不二楼独自の”熟成鮨”を融合させた「新江戸前鮨」をカジュアルなスタイルで提供する。併設のスタンディングBARでは、女性バーテンダーによる本格的なカクテルのほか、全国の日本酒なども楽しめる。
「KoKo Head cafe(ココヘッドカフェ)」(アメリカンダイニング&バー)は日本初出店。2014年にハワイ・ホノルルで誕生した人気カフェで、現地の看板メニューをはじめ、アジアンテイストのハワイアンフードを多数ラインナップ。店内はサーフボードや植物を飾った解放感ある空間で、東京に居ながらにしてハワイを堪能できる。
「Luv. Fish ?(ラブフィッシュ)東京」(魚料理)は新業態。大阪・福島で人気の割烹「もう利」が満を持して東京に初出店した海鮮ダイニングとなる。モダンで居心地の良い空間で、産地直送の新鮮な魚介料理を楽しめる。日本酒をはじめ、ワインや焼酎など幅広く取り揃える。
「Mole TAQUERIA Y BAR(モーレタリア イ バル)」(メキシカン)は新業態。2010年にオープンした東京ビルTOKIAの「MUCHO MODERN MEXICANO」をはじめ、新たなメキシコ料理の文化を提案してきたHUGEが運営する。モーレ(ソース)にこだわった、タコスを中心としたバリエーション豊かなメキシコ料理を提供。
「もへじ 新丸ビル」(もんじゃ焼き)は、150年続く老舗魚問屋の直営店であり本場月島で連日行列が絶えない「月島もんじゃ もへじ」による新ブランド。独自の配合で炊き上げる自家製のもんじゃだしや豊洲直送の旬の海鮮一品はそのままに、月島の伝統とイタリアンの融合をコンセプトに様々な料理を提供する。
リニューアルオープニングセレモニーに登壇したのは、女優の木南晴夏さん。丸の内エリアには友だちとランチをしに来たことがある、と話す。マルチカについては「本当に色んんなジャンルがミックスされています。同じ場所で、色んなものを選べるのがありがたいですね」。
壇上では、SAKE COLLECTIVE & SPIRITSが提供するカクテル「丸の内スリング」(1,430円)、パンとエスプレッソと 東京&TOKYOの食パン ムーなどを試食して「とても美味しいです」とコメント。ほかのメニューも食べてみたい、店舗にも足を運びたい、と笑顔になった。
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丸の内ビルディング